胃カメラデビュー

 房総の旅の続きを書く前に、一昨日初めて胃カメラなるものを経験したので、ちょっと書いておこうと思う。

 今までは、バリウムを飲んでのレントゲン撮影だったが、一昨年小さいポリープが見つかった。所見は悪性腫瘍の可能性は低いし、自然消滅することもありうるので、来年の検査で大きくなっていなければ、除去する必要もないとのことだった。
 「悪性の可能性は低いとはいうものの、ゼロではないこの胃の粘膜の吹き出物に1年も時間を与えていいのか。その間もしも成長したらどうすんだ・・・」少し不安になったが、口にするかどうかをためらっているうちに、医師の診察は終了してしまった。検診後、この小さいポリープは特に自己主張することもなく、ひっそりと佇んでいてくれたお陰で、ほとんど思い出すこともなく月日は過ぎて行った。
 昨年の検診でも特に大きくなってはいなかった。ただ、医師は自然に消えてなくならなかったことに、少し期待外れの感があったようだ。問題はないとしながらも、念のために次回は目視検査を行った方がよいということになった。ポリープが発見されてから、2年が過ぎて漸く正体をはっきりさせようじゃないかということのようだ。
 自分の身体の中でも胃袋は特に大事な器官でもある。そんなことで、テキの正体がわかるというなら、この際多少のことは我慢して、胃カメラを飲むことにした。・・・・のはいいが、いざ本番となると、めちゃくちゃ緊張する。その緊張を悟られないように、表情に注意して控室に入ると、手の平は汗でぺったり濡れている。こちらの頭の中は半分真っ白なのに、看護師達は平然と試薬を飲ませ、喉に麻酔液を吹き付け、つばは呑みこまずティッシュに出すことなどと指示を出し、テキパキと準備を進めている。
 喉の奥の感覚がなくなって来た頃、名前を呼ばれて、検査室へ入る。言われたとおりの姿勢で検査台に横になった。筒状のプラスチックのマウスピースを噛んでから緊張はピークに達した。楽にして下さい」と言われても無理だ。額に汗が滲むのを感じたとき、まだ覚悟も出来ていないのに、9.2mmのCCDカメラがマウスピースを通して侵入してきた。喉を通るとき、激しい吐き気に襲われる。しかし、昨晩からの絶食で、胃の中は空だ。吐き気は空を切り、カメラはさらに食道を通過する。感覚で分かる。幽門を通る時は痛い訳じゃないけど、かなり辛かった。
 「十二指腸にいきまーす」遠くでそんな声を聞きながら、実態のないものが断続的にこみ上げてくる。ゲップは我慢して下さいとマニュアルには書いてあったが、出来るもんじゃない。看護師が背中をさすってくれる。
 「組織とりまーす」「よし、カンペキ」「もう少しですよ~」そんな言葉を聞きながら、胃の中を蠢くカメラに圧迫させられて苦しい。いつ終わるのだろうか、時間の感覚は消えている。こんな思いをしながらおとなしく横たわっているのは理性なのだろうか・・・くだらないことが頭を巡る。その時、カメラが元来た道を帰り始めるのを感じた。喉を通る瞬間はまた強烈な吐き気。そしてするりとカメラが外へ出た。
 「終わりましたよ~。ゆっくり起き上って下さい」起き上ると、もう気分の悪さは無くなっていた。「よく頑張りましたね~」そんなことを言われるのは、きっとかなり大変そうに見えたからだろう。
 パソコンの画面で初めて、自分の食道と胃それに十二指腸の中を見た。ポリープは3mmくらい。「これは、癌化する可能性はありんませんよ。大丈夫です。」「ただ、1か所、粘膜列断、まあ、擦りむいたようになっているところがありまして・・・」なるほど、こちらも3mmくらいで、白く皮がむけたようになっている。「念のため、ここの組織をとりました。最後に、癌細胞を染め上げる染料を散布しましたが、きれいに流れました。組織サンプルの検査結果はまだですが、その他は問題ない。サンプル採取の傷が治るまでは、刺激物はあまり取らないようにしてください。それだけです。」
 こうして、胃カメラデビュー戦は終了。こんなに緊張したのは何年振りだろうか。反動で、終わった瞬間から少し放心気味。一通り説明が終わった後、「何か、質問はありますか」と言われたが、思いつかなかった。あとで、組織を取った場所が、胃のどのあたりだったのか聞けばよかったと思った。

 放心のなか、自分の胃や食道の動画を見ながら、「ホルモン焼きを」を漠然と想っていたことが恥ずかしい。
# by oishiimogumogu | 2012-04-27 19:23 | その他 | Trackback | Comments(2)

誕生日だった

 昨日は誕生日だった。外出先から戻ると、留守電に母親からメッセージが1件。再生すると、まあ、毎年そうなのだが、一応お祝のお言葉と一年分の小言と説教が5分42秒にわたって録音されている。全部を聞いていると貧血を起こしそうになるので、1分30秒程聞いて消去した。
 朝はきちんと起きろだのちゃんと食べろだの運動しろだの・・・延々と続く。プロローグをちょっと聞いただけなのに一気にテンションが下がる。立ち直る為に「バーボンでもひっかけるか」とグラスに氷を入れたところで、思い出した。明日は人間ドックで胃カメラの検診がある。つまり、20時以降の飲食(お茶類、水を除いて)は禁止だったのだ。時計は20時35分、既にタイムアウト。ああ!立ち直るきっかけを失い、私の視線は宙に漂っていた。
 誕生日なのについてない。
# by oishiimogumogu | 2012-04-25 23:30 | その他 | Trackback | Comments(4)

房総の春


 いつもは誕生日の頃に出かける習わしだが、今回は4月も前半の週末に房総へ向かう。毎年1泊2日の勝浦詣では、必ず雨が伴う。二日間ともの時もあった。大抵はどちらか一日は雨なのだ。ところが今年は、初日から大いなる青空に恵まれた。初参加の夢八氏が晴れ男なのだろうか・・・
花見客など一人もいない「桜の名所」で我々だけの為に咲いたような桜を愛でる。暑くも寒くもない爽やかな空気の中、見上げると空色をバックに満開の桜が気持ちよさそうに風に揺れていた。
こうして、今年も房総への短い旅がはじまった。

つづく

# by oishiimogumogu | 2012-04-16 20:45 | | Trackback | Comments(0)

朝食にはビタミンCを


 これを毎朝2個食べる。ビタミンC補給のための大切な朝食。カリフォルニアのメローゴルドという品種のグレープフルーツ。爽やかな甘さと優しい酸味があり、したたるジュースがたまらない。

# by oishiimogumogu | 2012-04-15 23:16 | 日々の食卓 | Trackback | Comments(0)

パスタにも春を

 あ~、いい天気だ!外に出たい。風もないし、多摩川の土手でも自転車で走ったら気持ちいいだろうなぁ~。
 だが、こういう時に限って、ゴリ押しの修正仕事が入る。のんびりサイクリングなどというささやかな願望も、無残に打ち砕かれる。修正部分は内容的に一括管理システムが使えないので、ひとついとつ拾っては直し・・・延々と・・・続く。
 実にめんどくさい。半日パソコンの前にいるのに全然はかどらない。さっさと終わらせればいいのに、ついついネットサーフィンをしてしまう。集中できない。もう飽きた・・・
 だが、飽きたからと言って止めてしまう訳にもいかないのが辛いところだ。ここはひとつ気分転換に何か食べよう・・・そう思って、モサモサ頭のまま階下へ降りる。


 階段を降りながら、「麺で行くか・・・」と、思う。一階に降り、キッチンのドアを開けながら、「麺は、ラーメン?蕎麦?焼きそば?いや、パスタだ。」と、思考を巡らす。
 次に冷蔵庫ををチェック。天ぷらや筍ごはんに使った筍の残りが出汁に漬かったまま密閉容器の中で、出番を待っていた。「そろそろ使っちゃわないと・・・」。筍のパスタになることは、これで決定。
 では筍パスタのベースをどうするか。ニンニクと鷹の爪で、安易に筍のペパロンチーノ風と言うのでは芸がないな・・・と、考える。だいいち、先日、たこさんから、「筍のパスタはどうやって作ったらいいの?」と聞かれ、「ペパロンチーノにしなよ。」と、簡単な作り方を教えたばかりだ。彼はきっとそれを実行して、写真をブログに載せるに違いない。だとすると、同じものを作ったら、味は断然こちらが上だとしても、高性能カメラを所有する彼の写真の方が旨そうに見えるに決まっている。そんなのは嫌だ。
 他に何かないのか?改めて見回すと生クリームがある。まだ賞味期限前だ。と、云う事は、筍のクリーム煮が出来る。それをパスタソースにすればいい。でも、もう一品、何か肉系が欲しいところ。冷凍庫を開けたらベーコンやら塩豚に混ざって鶏モモ肉が半分、律義にラップで包まれて凍っていた。よしこれを使おう。決まりだ。
 漸く筍のクリーム煮の構成要素が揃った。それに、木の芽が少し残っていることも思い出す。いいね~。

 材料は、鶏モモ肉。筍の出汁煮(ほんのり和風)。大蒜のみじん切り。白ワイン。生クリーム。塩。ナツメグ。木の芽(イタリアンパセリでもOK)。

 初めに、鶏肉に軽く塩胡椒して、大蒜で香りづけしたオリーブオイルでこんがり焼く。キッチンペーパーでフライパンの余分な脂を拭き取りながら鶏肉を焼くと、うまくいく。大蒜は強火だと焦げるので、中火以下で。
 鶏肉が焼けたら、筍にさっと火が通るくらい炒め、白ワインでフランべ。アルコールが飛んだら生クリームを投入。グツグツと煮えてきたら、塩で味を整え、ナツメグを卸す。皿に盛ったら、木の芽をトッピング。


 ちぎった春キャベツを卸した新玉葱とポン酢、オリーブオイル、メープルシロップを少しだけ加えたドレッシングで和えたサラダを付け合わせにいただく。
 先週末に千葉の大多喜で買ってきた朝掘りの筍は、香りも歯ごたえも生きていて、クリームソースとよく合っていた。鶏肉のうま味は、バランス良く全体を引き立て、木の芽のアクセントがくすぐるような春の香りを演出してくれた。あ~、旨かった。たこ氏の筍と菜の花のパスタが楽しみだ!
 
# by oishiimogumogu | 2012-04-15 15:36 | 日々の食卓 | Trackback | Comments(2)
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酒・食・器そして旅のたわごと・・・


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