浜焼きで朝食を(2日目-その1)


 浜焼きは、各地にいろいろな製法で存在する。出雲先の浜焼きは、元は素朴に漁で揚がった魚を竹串に刺して、その竹串を砂浜の砂に刺して炭火で焼いていた。北国街道が出来る前は、漁師の家は海岸線にあり、家のすぐ裏手が船着き場になっていた。だから、何処の家でも自分の家の裏の砂浜で炭を起こして魚を焼いた。砂は炭火によって熱せられ、全体にまんべんなく、TVCM風に言うと“ふっくらジューシー”に焼ける。
 現在では、海岸沿いに国道が出来て、家の裏手がすぐ浜に直結するとまではいかないが、数件の家で浜焼は行われている。家の敷地内か、土間などに海の砂を運び込み、砂の輻射熱を利用して魚を焼いている。
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 一行6名が泊まった旅館M屋の隣の隣は石井鮮魚店で、ここでも浜焼を焼いている。タイル張りの水槽に海の砂を入れ、炭を高く積み上げ魚を焼くのだ。大抵朝の7時過ぎには、近所のお爺やお婆がやって来て、魚を串刺しにて焼き始める。
 旅館M屋の朝食も大層旨いのだが、ここはひとつこの浜焼を朝ごはんのおかずにしようと思った。M屋には、おにぎりとみそ汁だけを用意してもらい、其々好きな魚を買って来ることにした。宿の目の前の海岸公園の東屋で海を間近に見ながらの朝食としゃれこもうと云うのだ。
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 浜焼が焼かれているそばかから、「僕は赤魚下さい」「私は鯖」「じゃあ、私は烏賊」などと、遠い昔に駄菓子屋の前で小銭を握りしめていた子供に戻ったようにして、目当ての魚を買った。晴天の秋空と穏やかな日本海を眺めながら食べたコシヒカリ新米のおにぎりと浜焼は、旨い事ひとしおであった。
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 朝食後、M屋の鏝絵の間を見せてもらった。鏝絵とは字のごとく鏝で壁や天井に美しい漆喰のレリーフを描いている。伊豆の左官であった長八が有名であるが、M屋創業当時には、そういう職人も珍しくなかった。
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 M屋鏝絵の間の天井。この部屋にはかつて、VIPが招かれて晩さん会を開いた。出雲先は天領地。その当時人口は2万人以上いたらしい。因みに現在は5300人程だ。

つづく
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by oishiimogumogu | 2010-10-31 23:20 |


酒・食・器そして旅のたわごと・・・


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