日本初のヨーロッパ種のみの葡萄のワイナリー(2日目-その3)


 私は、日本酒を造っている酒蔵をいくつか訪ねたことはあるけれど、ワイナリーの醸造所や蔵などを実際に見るのは初めてだった。
 実は、20代後半に給料のほとんどをワインにつぎ込んでいた時期(20代前半は日本酒につぎ込んでいた。私の20代は酒につぎ込む人生であった)もある。ヘンな話だが、よいワインには、そこに引きずり込まれるような舌触りやアロマが存在し時間や温度によって変化する。この変化を追いかけてもう少し、あともう一杯と飲み進め、いつしか深い眠りに落ちる。私はそこに心を囚われていたのだ。
 そんな訳だから、私の将来の夢は、ブルゴーニュとトスカーナのワイナリー&シャトー巡りなのである。どうしても、フランスとイタリアは外せない。まあ、余裕があれば、カリフォルニアやオーストラリアにも行けるといいなどと考えていた。それだけに、この日本酒の聖地のような新潟で葡萄畑やワインの醸造所や蔵など本格的な設備を備えたワイナリーと出会えることが、いささか不思議ではあった。
 見学するにあたって、案内役を引き受けていただいた株式会社欧州ぶどう栽培研究所の今井常務は、葡萄畑や醸造設備などきめ細かく説明してくれたが、随所に「俺はワインづくりを愛している」と言わんばかりの想いが伝わってくる。またひとつこの旅で良い出会いであった。

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 美しい葡萄畑。ここには、フランスやドイツなどのヨーロッパの品種の葡萄の木しかない。日本の葡萄は食用なので一本の木を大きくして枝を棚に釣る。木と木の間は離れているがワイン用の葡萄は間隔が狭く、根は横に貼れず地中深くまで伸びる。その結果、雨が少なくても地中深くの水を補給することが出来る。
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 葡萄の実は、食べてみると甘い。巨峰やデラウェアなどと比べて、水分こそ少ないがしっかりした甘みがあった。葡萄の実を囲う金網は、猫とカラス対策。
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醸造タンクの前で説明を受ける面々。日本で日本酒を造るなら設備などは国内で賄えるのだろうが、ワイン造りの設備は殆どが輸入せざるを得ない。それを考えても、少々気が遠くなる。
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 ワイン蔵の中。醸造後のワインはこのオーク樽で香り付けされる。この樽も輸入。毎年新樽を仕入れているが、この香り付けに使えるのは、3年だという。樽は、同じオークであっても、生産者や地域によって、かなり違うアロマを発する。新樽とワインに関する新しい知識だ。
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 ワイナリーの地下にあるワイン貯蔵庫。写真右の通路は、100m弱もある。地上の施設だけ見ていたら、地下がこのようになっているなんて、思いもよらない。ここには7万本のストックが出来るとのこと。将来は酒齢の長いビンテージワインが並ぶ可能性もある。
つきあたりでは、シャンパンの生産もしていた。

 地上の緑溢れる敷地の中の醸造施設やレストランと地下に広がる酒蔵で構成されるワイナリーは、小さいながらもヨーロッパのワイナリーを彷彿させるものだった。もともと日本のワイン造りは、食用で出荷できなかった葡萄の救済措置みたいなところがあり、ヨーロッパのワインと比べたらどうしても水で薄めたような感じが否めなかったし、必要以上に甘かったりした。
 しかし、見学の最後に試飲させてもらったワインは、どれも本格的な酸味やフルーティな軽さ、またはタンニンの渋みなどテイストは本格的な仕上がりだった。ワイン造りは年月がモノを言う部分が大きい。まだ、創業して17年ということだが、毎年美味しさが蓄積されたワインが造られていくことだろう。楽しみである。
 見学後、ワイナリーのもう一つの名物のジェラートを食べ、大変満足な一行は次の目的地である蕎麦屋に向かった。

つづく
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by oishiimogumogu | 2010-11-12 16:40 |


酒・食・器そして旅のたわごと・・・


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