新潟ツアー・のどぐろを食べに行く⑤

 Oneday Onething・・・私の理想の暮らしだ。成すべきことは、1日1つ。あとは、呑んで喰って寝ていたい。それなのに、私の日々の暮らしは雑用が蓄積していく一方だ。片付けても片付けても神様が新しい雑用を用意してくれるおかげで、頭の中はいつもバタバタしている。
 忘れてしまっては困ることだけでもTo do list(やることリスト。しなければいけない雑用を期限と優先順位をつけて、終わったら消していく。)に書き込んでいるが、見るたびにうんざりする。それが現状なのだ。
 そのTo do listの項目を消すために、一昨日は朝から夜遅くまで出かけていた。横浜の青葉台~代官山~渋谷そんなルートだった。
 代官山で合間の時間に、蔦屋書店を覗いてみた。
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土曜日で人も多い。じっくり見ている時間もないし、買うつもりの本もなかったので雰囲気だけを把握するに留めたが、朝7時から深夜2時まで営業しているこの本屋には、時間を作って平日の午前中だとか、夜も遅い時間だとかにじっくりチェックしたいと考えている。
 同じDAIKANYAMA T-SITE内にある北村写真機店で、ちょっと買い物をした。RX100用のカメラケースだ。しかし、別売のストラップがなくて結局、それだけ家から注文する羽目になった。
 このT-SITEでは、何かのハロウィンイベントがあったらしく、仮装した子供やその親たちがたむろっていた。子供は大嫌いだが、魔法使いにかわいく仮装した子供は被写体としてはおもしろいと思った。そう思って見ていると、こっちを見たり、子供同士でじゃれあったりして、「あ、いいショットだ」と、思うことが何度もあった。でも、親の目が気になって、なかなかカメラを向けられない。また、顔を撮って、ブログに載せちゃうのもいいんだか悪いんだか見当がつかない。それで、後ろ姿を控えめにパシャリ・・・
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 この後は、渋谷公会堂で楽しい予定が待っていた。ライブだ。このライブレポートは、いずれの機会に譲ると言うか、まあ、気が向いたら書くかも・・・しれない。
 ライブの後、適当な店で軽く腹ごしらえをする。手打ちのタリアテッレ。海老とトマトのソース。感動する程ではないが、まあまあ美味しく食べた。
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 駅へ向かう途中、やはり何人ものハロウィン仮装の人とすれ違う。世の中と言うか、渋谷あたりでは、いろいろなハロウィンパーティの企画があるのだなと思う。
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いつか、もう少し色んな事が片付いて、余裕が出来たら、私もモトが分からないほど仮装して、ハロウィンパーティでゴージャスに遊びまくりたい。いや、目茶目茶旨くて楽しいパーティを自分で企画してもいいかな。わくわくする。でも、そんなのはいつの事になるやら・・・。

☆おまけの写真:渋谷公会堂のロビーにあった公衆電話。
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 それでは、旅の続きを・・・
 朝、宿をチェックアウトして、向かったのは長岡の三島郡、三島上条という集落だ。ここには、米農家のTさんの家がある。今回ツアーに参加しているメンバーは、全員ここの米を送ってもらって食べている。数年前から政府の減反政策で、米を作らない田圃で蕎麦も作っている。一昨年、何の気なしにその話になり、同行していた夢八氏が、玄蕎麦を少し持ち帰り、東京の新鋭展に紹介ところ、そこから波及して今では、数件の蕎麦屋でここの玄蕎麦、或いは蕎麦粉を使うようになっている。私も食べたが、コシがある美味しい蕎麦だった。

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ちょうど、納屋で蕎麦の実を挽いて、そば粉を作っていた。使っている機会は、精米機にアレンジを加えたもの。出来上がった蕎麦粉は、ふわふわでパパフパフだ。右側上の写真が、電動石臼。

 Tさん宅には、毎回お邪魔するのだが、いつも次の予定に追われせわしないので、今回は事前にお願いして、田んぼと蕎麦畑をじっくり見せてもらいたいと、リクエストしてあった。
 
 毎回ご飯を炊く度に、感動する旨い米。地元での奉納米品評会で何度も金賞を取っているこの米が、どこでどうやって出来るのか、その秘密にちょっと迫ってみたかった。昨年の日照りと猛暑で、新潟の米と言えども収穫量が減ったり、味に変化があったりと、多少の影響を受けていた。しかし、Tさんは「うちの田圃は山の中にあるからね~、猛暑もあんまり関係なかったよ。」と言った。言葉通り、昨年の新米もいつもと全く変わらずミルキーで甘いご飯が炊けた。

 「さっさと行って来ないと、東京の人だってこの後の予定もあるんだから・・・」米づくりと蕎麦づくりに深い愛情を注ぐあまり、つい話しこんでしまうTさん。奥さんから軌道修正されて、「そうだな、続きは田圃を見ながらするか。最初は、蕎麦畑。次に田圃を案内しますから。」と、立ちあがった。
 車幅ぎりぎりの狭い山間の農道をくねくねと登って行った先に、T家の蕎麦畑があった。
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蕎麦はもう刈り取った後だったが、残った茎が紫色をしていて、蕎麦畑が満開の白い花の頃を想像してみたりした。Tさんと夢八氏は、ここでどのくらい収穫があるだとか、天日干しがどうだとか少し専門的な話をしていた。
 ふと気づいたら、ここは我々の話し声と、風が木々を揺らす音、鳥が鳴く声のみで、その他の人工的な音がしない。毎日、都会の生活雑音にまみれていると、耳もそれに慣れているから気にならないけど、音源が極端に少ないこういう世界を私はことさら新鮮に受け止めていた。

 天気もいいし、のどかだし、この風景に自分の輪郭が曖昧に感じる気分を味わっていてふと思った。ここもTさんの職場のひとつなのだ。繁忙期は手伝いの人なども来るから大勢で仕事をするのだろうが、空と田圃の間でぽつねんと一人での作業することもあるだろう。そういう時は慣れないと、ちょっと寂しいかもなと思ったりした。

 田圃にも連れて行ってもたった。T家代々、苦労して開墾した田圃で、蕎麦畑同様山の中だ。
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驚くことに、この田んぼ専用の横井戸がある。普通、井戸は縦に掘るが、ここのは横井戸と言って、山の横腹を貫いている。山に降った雨を、木々の根が蓄え、時間をかけて土の粒子がろ過する。飲めるほど、ピュアでミネラルを豊富に含む湧水だ。この水を一旦、池に蓄えて、田圃に流す。
 話を聞いて、ここの米の美味しさの秘密が解明された。通常、田圃の水は、川や用水から引くのだが、こんな天然水で育つ米が不味かろうはずがない。

 Tさんは、田圃の説明をしながら、キノコを採ってくれた。原木栽培の椎茸も、採らせてくれた。
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70歳になると言うのに、身軽に山の斜面に入って行き、キノコを採ってくれるのだから、都会で軟弱に暮らす自分達より余程若々しい。
 と、感心して話すと、奥さん曰く「いやいや、それが仕事だから。」と。そうですかねぇ。。。。私など、お呼びもつかないと思う。

 Tさんのお米や蕎麦を食べ、その美味しさを少なくとも我々は大切に思っている。その米と蕎麦が出来る環境を初めて見ることが出来た訳だから、それは有意義と言う他あるまい。

 家にお戻ると、奥さんが蕎麦を茹でていてくれた。
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それは、昨年より格段に整った美味しい蕎麦であった。ふ海苔と山芋で繋いだ2種類の蕎麦を楽しんだ。我々に食べさせようと、丹精込めてくれている。思えばTさん夫妻との出会いは、偶然の積み重ねであった。人の繋がりの不思議さををしみじみ思った。
 
 ちょっぴりセンチメンタルな気分で、Tさん宅を発った。ご夫妻は、車の後ろ姿をいつまでも見送ってくれた。

つづく


[PR]
by oishiimogumogu | 2012-10-29 00:36 |


酒・食・器そして旅のたわごと・・・


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