新潟ツアー・のどぐろを食べに行く・最終回

 最終回をアップする間もなく、唐津に出かけてしまった。どのみち食べに行った訳で、そっちも盛りだくさんだから、戻ったらさっさと書いてしまおうと思っていた。しかし、なにもかも思い通りにはいかないもので、あろうことか旅先で“風邪”というのを土産に持たされてしまった。前にどこかで触れたかもしれないが、普段食べ過ぎ、飲み過ぎをたまにやるくらいで、体調を崩すなんてことは滅多にない。その反動なのか、風邪といっても軽く済ませると言うことが出来ない。
 今回も最悪。戻った翌日から、のどは腫れ、くしゃみと鼻づまりで、鼻の周りは他人のもののようだ。熱も出た。ピークで38.5℃。膝も腰もガクガクとかみ合わない様な感覚に襲われる。それでも仕事があるので、解熱剤を飲む。分かってたことだけど、薬の威力は絶大で体温は34.8℃まで下降し、今度は悪寒に悩まされる。元気ならまだ半袖でも平気な私が、オイルヒーターを2台持って来て、さらに毛布を身体にぐるぐる巻いて、ティッシュの箱を抱えてパソコンに向かう。高熱時より低熱時の方が、まだ意識が朦朧としないだけましである。
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 当然のことながら、食欲もない。喉ばかり渇くので、ネットスーパーを初めて利用して、GREEN DA・KA・RAを2ダース届けてもらった。¥1500以上買うと、配送料も掛らない。便利な世の中だ。
 そんな日々が続いたが、一週間たって漸く症状が鼻詰まりとくしゃみだけになって落ち着いてきた。あんなに食べていないのに、体重は差ほど減っていない。新潟でも唐津でも食べ過ぎなのだ。きっと。。。その模様をもう少し書いておこう。

 夕食が終って、食事処を後にした一行は、どうにか3階までの階段を上がり部屋にたどり着いた。そこから先は、三々五々。温泉に浸かりに行く人、寝る人とそれぞれに過ごす。私はもう一度風呂に浸かって、ビールを一杯飲んだところで、睡魔に勝てず沈没。
 途中、ふすまの向こうからT氏が発する壮絶な雑音で目が覚めた。そのうち止むかもという期待を裏切り何時までもうるさいので、おもむろにその寝顔を見降ろして「うるせーよ」と、ささやいたらとたんに止んだ。なんていい人なのだ。こんなにすぐ止むのなら、もっと早く言ってやればよかった。

 朝、目が覚めると、既に何処かへ消えている人、窓際でお茶をすすっている人、まだ死んだように寝てる人がいたように思う。時計は5時40分くらいだったか、外の麻釜の周囲の履き掃除が始まっていた。箒が地面を掠る音が清々しい。私は、手ぬぐいを持って、プラプラと外湯に入りに行った。住吉屋の前を右手に下ったところにある麻釜の湯である。小屋の扉を開けて中に入ると、脱衣場と温泉が一体となった簡易浴場だ。
 床に掘られた風呂は熱い。そろりそろりと入る。中で無暗に動くと、熱さが倍増するので、思わず「あっちぃー」と叫びそうになる。入ったり、風呂の淵に腰かけたりしながら、真っ赤になって温泉を味わった。
 
 風呂から出て、一旦部屋に戻った。T氏が何やらごそごそやっている。声をかけると、iPhon5がないというのだ。でも、この部屋にあることは確かだから、掛けてもらってバイブ音をたよりに探したいと言う。私は、T氏のご希望通り、自分の携帯から電話をかけた。すると思った通り、部屋のなかでバイブ音がする。どこだ?辿りついた先はなんとK氏のバッグの中であった。K氏のスマホは、テーブルの上に置いてある。どうも、取り違えたらしいのだが、それに全く気付かないところが傑作である。
 K氏は、野沢温泉名物の日曜朝市を廻ったらしいが、私はすっかり忘れていた。今度行くことがあれば、忘れずに冷やかしに行こう。

 さて、そんなことで時間をやり過ごしていると、朝食のお呼びがかかった。昨晩、あれほど食べたのに、朝は朝で腹は空く。みんな揃って、階段を下りた。
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 ご飯だけでなく、味噌汁もお代わりできる朝食。特におぼろ豆腐が美味しい。
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温泉玉子は朝温泉でつくった出来たて。こんなのが朝食に出るのは温泉ならではだ。朝食時にも、名物のお取り回し鉢が付く。

 朝食の後、身支度を整えながらここを発つ準備にかかる。チェックアウトは12時ということだが、次の予定はそうのんびりも出来ない。なんだか、名残惜しいような気がした。いつもと違う趣向で選んだ宿だったが、みんなとても喜んでくれた。記念に、食事の時に出た箸を買った。これがまた使いやすく、自宅でも重宝している。

 次に向かうのは、並ぶ蕎麦屋『せきざわ』。叔父の家が近くなので、プライベートでも2度ほど来ている。何と言っても鴨南蛮が絶品で、忘れられない。このツアーでも一昨年に訪れている。日曜日ということもあるが、この蕎麦屋、10月の営業は土・日のみ。蕎麦の刈り入れの為、他の日は営業していない。そんなことが重なって、希少感も手伝ったのだと思うが、10時40分に到着して、もう一人目の客が並んでいた。営業時間は11:30である。あれよという間に、長蛇の列が出来きあがる。我々は2番目で、あれこれしゃべっている間に開店時間が近づく。ここに入るには、並ぶのが当然だと、K氏も私も思っているので差ほど苦にはならないが、T氏はその激しいポリシーで並ぶことに抵抗があったようだ。それなのに、私達の前ではそんなことはおくびにも出さず、涼しい顔をして世間話を繰り広げるのだから、人間としての深みに溢れている。

 開店時間が来て、順番に中へ入る。もう見慣れた店内だ。折角、並んだのだし、という訳で、蕎麦を待つ間に生ビール。
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蕎麦は、三種の蕎麦が楽しめる蕎麦三昧と鴨南蛮を頼むことにした。初めに出たのは、生粉打ちの蒸籠。なめらかな舌触りと少しモチモチ感がある噛みごたえ。香りが柔らかい。せきざわの畑の蕎麦でないのが少々残念だが、打ち方が上手いのが、素人の私にもわかる。

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本日の蕎麦粉:長野県栄村/群馬県 赤城村
 
 次は、胡麻切り。一昨年も食べているが、胡麻の香りで蕎麦の香りが消されることもなく、どちらも微妙に香るのだ。また、蕎麦にまとわりつく水が甘い。そばつゆをつけ過ぎないように気を付けて、その繊細さを味わう。
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 胡麻切りを啜りながら、来た甲斐ありとご満悦。そばつゆも練られていて、本当に旨い。蕎麦三昧の最後は、粗引き。
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しっかりした歯ごたえと、太めの蕎麦は、いちばんそばつゆとのマッチングがいい。好みを言えば、これが一番かな・・・
 さて、お待ちかねの鴨南蛮。香ばしく焼目のついた青くびは独特の香りもあり、コクもある。葱と一緒に口に入れると、絶妙なマッチング。葱が鴨のうま味を最大限引き出すのだ。
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蕎麦は温かいつゆに浸っているのに、ちゃんとエッジを感じることができる。何と言っても、温つゆの中でも崩れないこの舌触りを私は求めていた。旨かった。
 デザートは、蕎麦粉で作った羊羹“むらくも”。小布施特産の栗が入っている。これを半分はそのまま。半分は、2~3滴のブランデーを振っていただく。
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これが甘すぎることもなく、ほんのりと蕎麦の香りもして、とても上品で美味しい。
 毎度、この昼の慌ただしい時間に訪問する羽目になってしまうが、是非一度蕎麦会席をいただく機会を作りたいものだ。
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 さて、2泊3日の旅も終盤だ。最後の訪問地、小布施へ向かう。
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 観光客で賑わう街並の中をぷらぷらと散歩しながら、お菓子を買ったり、酒を試飲したり、素晴らしい作家がいるガラス工房で片口やシャンパングラスを買ったりと、それぞれ気ままに過ごす。快晴で穏やかな天気だ。
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 小布施の中でも私が最も気に入っているのが、フランス菓子の店、『パティスリー ロント』。ここで、お茶をして、お菓子を買った。そしてついに東京へ向かう車中の人に収まった。

 渋滞も少しあったが、車中では旅の思い出話で盛り上がり、やり過ごした。途中で富士山が見えたので、写してみた。
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 夕映えの富士山が、この旅を祝福してくれているようでもあった。
 夜更け、心地よい疲れと共に帰って来た。せめて翌日くらいはなにもせず、ごろごろしていたいところだが、そうもいかないところが悲しい・・・

 このツアーを企画するようになって、毎回来年もするのかなぁ?と、思う。私はいいが毎回、新潟とのどぐろで、飽きてしまわないかなぁと思うからだ。でも、この拙い計画に会社を休んでまで、乗ってくれるメンバーは、そんな心配とは裏腹に、来年も当然行くつもりで居てくれるようだ。
 そんなことなら、来年は天候不順に見舞われて、船が欠航にならない限り、佐渡へ渡ろうと考えている。世阿弥の足跡を訪ね、北前船の復刻船を見学し、エンジンに頼ることなく内外を縦横無尽に航海した航跡に思い馳せると言う訳だ・・・。とか何とか言っても、本当の目的は、佐渡で採れた魚を存分に味わうことに他ならない。大して離れている訳ではないが、出雲崎近海の魚とは、全く違う魚介を食べ比べてみるのだから、我ながら楽しいプランだと思っている。佐渡には、モグ印のソーセージ工房もある。珍しい蕎麦だってあるのだ。
 三日目の夕方、高速船で新潟に戻って一旦解散し、新幹線で帰るもよし、都合が付くならもう一泊オプションで泊るもよしということにしたい。3日目の宿は大呂庵だから自分の家のようにくつろげるし、地味だが心のこもった旨い食事もだしてくれる。そんなことをうすぼんやりと考えながら、今回の旅の記録を〆括ることにしよう。

おしまい

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by oishiimogumogu | 2012-11-10 00:20 |


酒・食・器そして旅のたわごと・・・


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