なんだか良く分からなくなるほど食べる旅②

 もう終わってしまったが、先週まで開催されていた『東京デザイナーズウィーク2012』。その初日に行って来た。各ブースを廻って思ったのは、「頭脳って面白いな」ということだった。時間があまりなかったので、ひとつひとつブースを丁寧に見ることは出来なかったけど、最先端のデザインに触れて来るのも必要だとつくづく思う。このイベントのいいところは、デザインとオーディエンス(ユーザー)の間にデザイナーという人の存在があることだ。
 さてそのメインコンテンツ会場の真ん中で、J-waveの公開生収録が行われていた。
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       左:音楽プロデューサー&ベーシスト 亀田誠治 右:番組ナビ DJのSascha(サッシャ)
 
 この番組に、なんと雅-MIYAVIが、生出演。11/14リリースのアルバムのプロモーションも兼ねていたけど、ギター持ち込んで1曲披露。3mも離れていないところで、それを見れたので大感激。曲、凄過ぎ。スタイル、カッコ良過ぎ。顔、イケメン過ぎの現在私のスーパーヒーロー(ミュージシャン編で)なのだ。本当は、写真に収めたかったが、撮影・録音禁止のアナウンスがあり撮れなかった。

 さて、旅は始まったばかり。朝食は抜いたものの、昼からいきなりすき焼きで、自分の意志とは関係なく胃袋は満たされきってしまった。考えても仕方がない。なるようになれだ・・・そう開き直って、次の目的地、唐津へ向かう車の窓から外を眺めていた。
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 福岡ドーム、シーサイドももちなどサラリーマン時代に何度か訪れた景色が風と共に飛び去って行く。こういうとき少しは、当時を回想してセンチな気分になったりすのだろうが、とてもそんな気分に浸れない。腹いっぱいで苦しいのだ。

 後部座席で腹をさすっている間に、今日から2日間お世話になる宿『洋々閣』に到着。車から降りようとした時、眼の前に見たことがある人が、隣に止まった車から降りて来た。こちらは、別働隊の双龍窟のお二人とその兄上、玄龍さんご夫妻だ。それにしても全く同じ時間に到着とは奇遇だ。
 
 さて、この日から2日間お世話になった『洋々閣』は、雑誌などの「日本の名宿」特集では、必ずと言っていいほど登場(その割にHPがイマイチかなぁ・・・)する。玄関を入るところからして驚いてしまうが、格式も風格の十分過ぎるくらいだ。敷地も広大で、庭園も素晴らしい・・・hachiyamateiさんが色々説明してくれる。
 チェックインの後、錦鯉のいる池の上に掛る渡り廊下を渡って、二部屋続きのVIPルーム“飛龍”に案内された。広い洗面所と檜の風呂場もあり、設えも落ち着いていてとても立派な部屋だ。何畳あるのだろう?おそらく会わせて30畳くらいだろうか。ここに我々4名と、後から合流する「あまから手帳」の編集長ご夫妻の6名が、この部屋に泊まるが、それでも十分な広さだ。

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老舗旅館でありながら、唐津の中心から少し外れた住宅街に、洋々閣はある。先生に伺ったところによると、この辺一帯は、色街であり、この宿はまさに遊郭であったとのこと。なるほど、こういう格子の感じは当時のままということか。

 先生は、お風呂に入って夕食まで休むということで、布団を敷いてもらい、残りの40代は、腹ごなしの散歩にでかけることにした。と、言ってもGさんは、既に姿を消していたので、hachiyamateiさんと私は、「あの道はいいよ。」と、先生が教えてくれた“唐津城の石垣の上の道”へ向かう。
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 松浦川に掛る橋を渡り、石垣に通じる道を見つけ、松林の間の小径を歩く。そこはもう石垣の上で、見下ろすとすぐ海だ。私達は、城を一周して元の道に戻った。
 途中、唐津城へ上がるエレベーターを見つけた、どうしようかと迷ったが、城は一部工事中だし、「けっ、金取るのかよ。」の一言で止めた。片道100円だと言うのにケチくさいなと思ったが、私も一向に減らない腹を抱えて、少々億劫だったから良しとした。
 ちょうどそのころ、Gさんは城の上にいたという。ふらりと姿を消し単独でさ迷い歩く彼は、カメラを通して何を捉えているのかちょっと興味を引かれる。
 
 たらたらと歩いて戻る途中で漸く、ああ唐津にいるんだと実感が湧いてきた。ビジネスで出かけていた頃は、考えもしなかったが、飛行機でひとっ飛びというのは便利で速い反面、旅の情緒が薄れる気がする。しかし、この城が今のような観光資源ではなく、城として君臨していた頃は、飛行機も新幹線も鉄道も車も高速道路もなかった訳で、その頃の旅というのは、一体どんなものだったのだろうかと、つい思いを馳せてしまう。

 宿に戻った私達は、ひと風呂浴びて夕食に備える。部屋のメンバーもみんな揃った。ちらりと見たのだが、私達の食事処は準備が整い、大きな土鍋が2つも据えてあった。
 時間が来た。休んでいた先生をたみえさん(洋々閣のスーパースタッフ)が起こしに来る。「せんせ~いっ!おきてくださーいっ!」。静かに耳元で囁くのかと思いきや、大きな声でがっつり揺り動かされていた。私も編集長夫妻もこれには驚いたが、たみえさんはちゃんと役目を果たしていた。

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夜景モードで庭を写したらこんな風になった。
 
 広い庭に面した食事処で、双龍窟ファミリーを含めた総勢10名での大宴会だ。
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 唐津くんち初日の洋々閣の御馳走はあらずくし。と、いうところで思い出したのだが、今回唐津に来たのは、唐津くんちという祭りを見る為であった。唐津くんちは唐津神社の秋祭りで、何といっても漆の一閑張りという製法で政策された曳山(車輪付きの神輿)が、子供から大人までの大勢の曳子に引かれて、からつの城下町を練り歩く祭りだ。その宵曳山(11月2日)と御旅所幸神(11月3日)を唐津の名宿、洋々閣に泊って見物するというのが、今回の旅の趣旨だった。
 佐藤隆介先生は、この祭りには30年以上も通っていて、祭りの事も洋々閣のこともご自身の著書に何度も書かれている。だから洋々閣のお客の中でも重鎮中の重鎮だ。こういう日には有名人・著名人それに長年のおくんちファンの人々が、この旅館には押し寄せて、一見さんがおいそれと割りこめる状態ではない。そんな訳だから、先生御一行様の末席に加えていただけたのは大変ラッキーなことである。。

 この日は、そのおくんち料理の第一弾、あらづくしで、あら鍋とあらの薄造り。鍋は言うまでもないが、お造りの方は、河豚と同じようにあさつきを巻いてもみじおろしまたは柚子胡椒をちょいとのっけて、お手塩皿の醤油をちょっとつけて食べる。また、これを、鍋でしゃぶしゃぶにして食べるのも美味だ。
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肝も皮もあった。何しろ、この日のあらは、大相撲九州場所とぶつかることもあり、ただでさえ珍重される魚なのに、おくんちははあらと決まっているので、各所争奪戦だろう。当然値段も跳ね上がる。その中でも先生の為に極上が用意されているのだ。仲居のたみえさんは、どんどん取り分けてくれるのだが、まだすきやきが幅を利かせているし、宵山に出かけるから時間もあまりない。
 右往左往していると、そこに「こんなのないよ!」と、云うほど旨そうな蒸しもづく蟹が出てくる。しかも雌ばかり。
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バリバリと割って食べるが、丹念にこそげて食べるには、時間がない。18時30分から始まった宴会は、20時には終わらせて、出かけなければならないからだ。私はもう宵山なんかいいから、この滅多にお目にかかれない料理をもう少し堪能したいと思った。それが本音だ。
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酒だっていい酒だ。それを先生が洋々閣に預けてある坪島土平作の朝鮮唐津のぐい呑みで呑むのだからなお旨い。だからなおのこともう少し時間をかけて変化する酒を心に刻みたい。
 なのに、何が何だかわからないうちに、時は無情に過ぎ、まだたくさん残っている卓を去らねばならないのは私には辛いことであった。

つづく 

[PR]
by oishiimogumogu | 2012-11-14 09:50 |


酒・食・器そして旅のたわごと・・・


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