カテゴリ:旅( 49 )

戻り鰹を食べに行く①

 パソコンのガジェットによると、今の気温は20℃。漸くクーラーとサーキュレーター無しで寝られるようになった今日この頃。自分を中心に世界が廻るなら、一生このまま過ごしていきたい。そんな事をマジで想う。
 9月も後半になり10月に手が届きそうな時期になっても、30℃を越す日があり確実に長くなっている夏。あまり考えたくないが、来年はやり過ごせるのか心配である。

 春には“初鰹”、秋には“戻り鰹”。鰹が旨い季節は、年に2回だ。春に黒潮に乗って太平洋を北上する鰹と、秋の水温の低下に伴い南下する鰹だ。同じ鰹なのに全く違う味わいで楽しめる。
 その昔、名の通った江戸の商人達は、初鰹の初競りで、この初ものを奪い合い1本3両にもなることもあったようだ。1両がおよそ10万円だそうだから、当時の大店達のゲームみたいなものであったのだろう。「今年の初鰹は、○○屋が落した」と、噂が駆け巡り江戸の町は賑わうのである。江戸っ子は、鰹好きなのだ。そしてどうもその血が私には色濃く残っているようで、春になると鰹の方へDNAがなびくのだ。

 そのDNAの声に従って毎年春になると、勝浦まで来てしまう。その模様をこのブログを始めてからも書き綴っているテーマだ。「初鰹/2010」と「春爛漫 その1/2011」そして今年の「房総の春」なのだが、実は、これが完結していないのだ。文末に「つづく」と書いて、そのままになっている。
 先日、西国分寺に同行したK氏とT氏もブロガーで、初鰹料理の数々をさっさと自分のブログに載せてしまった。そして、それがまたよく出来ていたので、つい億劫になってしまったと云うのが本音。(その後もネタはあるのにどうも書く意欲が低迷していて、暫く書かないでいた時期もあった)
 ところが先日そのT氏から「つづくってなっているのにつづきがないよな~」と、忘れた頃にちくりと刺される。他、数名の方からご指摘もいただいたので、几帳面な私としては、ここで、決着をつけてしまおうと思う。

 と、云う訳で今年の春の続きだが、メインの中むらでの料理写真をあの時の「つづく」にしようと思う。


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左上:帆立と苺、バルサミコ酢仕立て 左下:鰹のしぐれ煮 右上:八寸-一 えんどう豆すり流し。一 浅利のしぐれ煮。一 山独活きんぴら。一 松風レーズン。一 玉子焼き。一 ばち子のあぶり。一 蚕豆(そらまめ)。一 とこぶし土佐煮。一桜海老と蚕豆のかき揚げ、コシアブラ。一 雲丹の絹蒸し。 右下:えんどう豆のすり流しの蓋を開けたところ

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左上:雲丹の茶碗蒸し 左下:めぬけの煮付け 右上:めぬけの煮汁にご飯をひと口 右下:かに味噌と揚げパン(揚げパンにカニ味噌をサンドする。こんな食べ方は初めて。こんなに旨いのか!)

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鰹の刺身。冷たい天然石皿に乗っている。この香り、この舌触り、申し分なし。

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左:かつおしゃぶ 右:つけだれ。納豆汁と坦々味噌

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左下:羹(あつもの)
きんめ鯛と春野菜のソテー、初筍、豆乳仕立て。うるい、行者にんにく。京の黒七味。右上:口替り
四万十ののりとてんつる麺、さざえ酒煎り土佐酢。右下:ステーキ

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A5より上だ。なんですかこの肉は?!とろける。

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左上:強肴(しいざかな)高知産フルーツトマト、クリームチーズがけ。左下:土鍋の筍ごはん 右上:茶碗に盛ったところ 右下:お味噌汁

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水菓子。グレープフルーツの白ワインゼリー。
 勝浦で採れる地魚を中心にかくもバラエティに富んだ料理の数々。味にも演出にも驚くばかり。酒が入っているのに、箸先が真剣で口数が少なくなる。

 さて、秋の料理はいかに・・・

つづく(←ちゃんと続きます)




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by oishiimogumogu | 2012-09-26 23:51 |

外房へ④

 再び更新。前回の投稿を見たら、写真が1枚だけだ。結局、かなり酔っていたらしい。写真を取るのも忘れて、いい気になって、飲み食いしていた。でも、とても楽しかったという感覚が手の平から消えて行かない。記憶の曖昧な所で何をしていたか、事実を突きつけられたらどうしようかと冷や汗も出る思いだが、皆さんどうか許して下さい。。。
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 房総から戻って、再びキブンニに浸りたくて作ったフレッシュトマトのパスタ。
 プチトマトをグリルで焼いて、オリーブオイルに大蒜で風味づけをし、焼いたトマトを炒めるバジルソルトで味を調える。具は炒めたベーコンと黒オリーブ。
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月曜日の昼下がり、パスタを食べながら、GoogleEarthで、行った場所を取りとめもなく眺めなていた・・・

 朝から太陽の光が燦々と降り注ぐ。だから暑いが、この暑さは不快なものではない。H氏とKさん、私で散歩に出た。静かな住宅街。すぐそばにある川まで出た。
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 朝からこんな風景を見て、川沿いに上ってくる波の微かな音を聞いていると、矢沢永吉の古い曲「時間よ止まれ」が、よぎって行く。
 
 戻ると、T氏が起きだして、キッチンに立っていた。数日前に「臨海料理会」の為にH氏が作っていてくれたメニューでは、この日の朝はトマトパスタとなっていた。私は、このパスタを楽しみにしていた。T氏のスペシャルメニューのトマトパスタは想像していたより、ずっと美味しい。シンプルなトマトの酸味や甘味が調和して、モツァレラチーズのもっちりとした食感と風味が絶妙にマッチしている。そして、庭からちぎって来た、バジルの香りがアクセントになって、自然な優しい味に仕上がっていた。屋外でいただくのどかな朝食は、私にとって天からの贈り物のように思える。

 食べ終わって、H氏の運転で、Kさんと私はドライブに出かけた。サーフショップが立ち並ぶ県道を車の間から見える海を見ながら走る。波がいいのか、昨日よりずっとサーファーが多い。
 アイスクリームが食べたいというリクエストに応えていただき、ミルキーソフトクリームを食べた。濃厚でクリーミーだけど、甘味が残らないソフトクリームがワッフルコーンに入っている。子供の後ろに並んで買ったソフトクリームを頬張る。

 戻って一休みした後、H氏はピザの準備に入る。イタリアの小麦粉を使って、生地を作る。手慣れたものだ。生地はイーストが入るので、発行する時間が必要だ。その時間を利用して、コーヒーを淹れてもらう。庭では、スプリンクラーが回り、芝生はその水を吸収して緑が濃くなる。
 さて、ピザだが、マルゲリータ、夏野菜(パブリカ、玉葱、ズッキーニ)、ツナマヨとコーン、そして昨晩の松茸スペシャルがメニューだとのこと。
 H氏が庭のテーブルの上で、分割したピザ生地を薄くのばし、クリスピー仕上げにする。一度トマトソース(T氏特製)を乗せて焼き、その後具をとチーズを乗せて焼く。パリッとした生地に新鮮な野菜が乗りモツァレラチーズがとろけて、美味しさを閉じ込める。ピザカッターで切るのももどかしく、焼いたそばから無くなって行く。特に松茸は絶品だ。これは、また食べたい。
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 ピザのお伴は、勿論シャンパン。ウコンの力は2本買ってあったから、お昼のシャンパンもスイスイ行ってしまう。

 その後、運転して返るお二人には、仮眠をとって酒気を抜いてもらい、Kさんと後片付け。と云っても、二人でするのであっという間に終わる。リビングのソファで二人で世間話をしていたら、日が暮れてきた。
 起きだしてきたH氏と最後の後かたずけなどをして、19時過ぎに名残惜しく車に乗り込んだ。実は、H氏とKさん、私は家が結構近いのだ。
 帰る道中も楽しく話しながらの車中だった。途中のサービスエリアでまたまたソフトクリームタイム。幕張だったと思うが、この辺で車を降りると、普段暮らしている場所と殆ど変らない、べっとりした暑さが肌に絡みつく。
 短い休憩の後、再び車は走り出す。だんだん東京が近付く。車窓にお台場の夜景が広がるのを眺めていると、九十九里の海岸で心地よく纏わり続けた海からの風の感触が身体のあちこちで甦る。
 やがて車は、地元にたどり着く。どんな旅も終わるのだ・・・ささやかな感傷を胸に秘め、私はH氏に別れを告げて車を降りた。

 本当に楽しい二日間だった。最後になったが、シェフH&Tブラザーズに限りない感謝の意を表して、旅の記録を終わりたい。




この旅にはこんな曲が合うかな
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by oishiimogumogu | 2012-09-02 17:29 |

外房へ③

 全米オープン5日目。デルポトロが3回戦進出。よしっ!
 一昨日は、何日も前から楽しみにしていた潮で夕食。すっぽんと鱧がお題目。すっぽんの肝は初体験。新鮮だからこそできる技。なんと、オリーブオイルと酢橘で和えてある。臭みなんて一切ない。こんなに上品なものなのか・・・と、舌を巻く。
 昨日はメガマソのライブ。メンバーは3人とも綺麗で驚く。写真と同じだ。特にボーカルのインザーギの歌のうまさを存分に味わう。アンコールでは衣装替えもあって、トークもなかなか楽しい。立ちっ放しでちょっと疲れた。楽しかったけど、一度見てみたかったという欲求は満たされたので、このバンドがもっとビッグになって、ホールで指定席のライブをするまでは、行かなくてもいい。しかし、どうしても行きたいからと当日券で入ったビジュアル系が大好きな後輩は、すっかりハマったらしく、次のツアーも行くと言っていた。身近にこういう趣味(ビジュアル系ロック)の人間がいたことを私は最近知った。本人曰く、「訊かれなかったから、話さなかっただけ。」ということらしい。

 そんなこんなで、更新がまたちょっと滞った。潮に行く道中で、たこさんが「あれ、海の話なかなかいいね。つづくって書いてあったけど、どうせまた続かないんだろうって思ってたら今回はちゃんと続いてた。」と云う。気紛れなブログなので、飽きると長期休暇もありうるが、長い目で見てやっていただきたいと心の中で思う。
 

 さて、房総の旅の続きをもう少し・・・
 ウコンの力superが効いているので、調子よくシャンパンが入る。いろいろ出てくるしほろほろに酔っているので、どれがどのシャンパンなのかさっぱりだ(翌朝、昼の分を含めて7本の瓶が転がっているのを発見。爽快な気分になる)。こうして呑んでいると、日頃の嫌な事も辛いことも(人様から見たら大したことではないのかもしれないが)いつの間にか忘れている。だから、酒はいいのだ・・・。まあ、呑み方にもよるけど・・・
 あれから一週間が経った今でもなんとなくこんな味とかあんな味のものがあったと思い出す。

 ふと気付くと、月が地平線にさしかかっている。空気がきれいなせいか、はっきりと輝く月がとても美しい。その月の白さとは対照的な真黒い大きな土瓶が登場。土瓶の中身は鰹(鰹節はH氏がわざわざ築地から仕入れて来たもの)と昆布の一番だし。そこにイトヨリの身を入れて風味を加え、松茸を投入。最後に糸三つ葉を香りづけに加え、松茸の土瓶蒸しをする。
 テーブルの上にカセットコンロを置き火にかける。しばらくすると、あたりは松茸の香りに包まれて、一同気持ちが黒い大土瓶に集中する。
 H氏が、酢橘を飾り切りし、それを見てKさんが驚嘆の声をあげる。
 そろそろちょうどいいころ合いか。手元の猪口に注いで味わう。
 「こ・これは・・・」心の声が耳まで聞こえる。松茸特有のあの香りに包まれた複雑な出汁のアロマが鼻孔をくすぐる。塩加減がぴったりであった。
 次の一杯は一滴酢橘を垂らす。それがまた別の世界を演出する。fantastic!!大土瓶は猪口で何度もお代わりできるのがいいと思っていたが、T氏が「土瓶のお代わりもあればいいのに。」という。それはいい!! 
 実は、土瓶蒸しは大好物なので、ついつい書き込んでしまう。ついでにもう少し言うなら、関西では鱧、関東は海老と思い込んでいたが、イトヨリは目から鱗だった。つまり、松茸の風味を活かせるなら、そのとき手に入る魚で良いということなのだ。
 
 松茸の土瓶蒸しを味わいながら、焼きマイスターT氏が炭火で松茸を焼いている。松茸をごろんと網に乗せ遠火でじっくり汗をかくまでだ。一同の意識が再び集中する中、ここだ!と云う瞬間を焼きマイスターは見逃さない。
 熱々を手で裂いて、雪塩をパラリ。酢橘を一滴。この香りと歯ごたえは、松茸だけが持つ特別なものだ。酔ってはいたが、私は皆が目を細めて解けそうな表情をしていたのを見逃さなかった。
 
 次は和牛のステーキ。宮崎から送ってもらった肉は、大きすぎて部位が不明だが、焼きマイスターが、またまたちょうどよいミディアムレアに仕上げてくれた。それを特製の赤い柚子胡椒でいただく。結構量が多いかなと思ったが、ぺろりと平らげられ、第二弾も焼いた。流石に旨かった。
 
 こんなに食べてもまだ入る胃袋を持つ驚異の4人は、T氏の特製パエリヤにも触手を伸ばす。海から戻ったあと、ずっと下ごしらえをしていてくれたパエリヤのスープは、魚介類と野菜を煮込んで作ったブイヤベースだ。40?50?cm位の大きなパエリヤパンで米を炒め具を乗せて、スープを注ぐ。スペインが世界に誇る米料理である。煮えてきたところでアルミホイルで蓋をする。薪の火で作るパエリヤは、少し下が焦げたが、美味しかった。ただ座って呑んでいるだけで、次々と出された料理もそろそろ終わり。月はもういなくなっていた。
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 酒飯が一段落して、H&Tブラザーズが、ギターを持ち出して来て、ビートルズを弾いたので、知っている歌を私も歌った。でも、実はここから先は記憶が曖昧で良く覚えていない。知らない間に時間が経って、携帯を見たら1:09と表示されていた。一瞬壊れているのかと思った。幸い壊れていなかったので驚いたが、まさに時間を忘れて飲み食いしていたのだ。ここでお開きにして、さっと片付けて、就寝体制に入る。部屋に行くと布団が敷かれてあり、恐縮。涼しいのでぐっすり眠る。

 翌朝、起きて昨晩の片づけをしながら、おしゃべりをしていたら、Kさんが「昨日は、ノリノリでしたね。」と、私の顔を見てニヤついた。「えっ、何のことだ?」反芻するが記憶が途切れていて、覚えていない。何をしたのだろうか(汗)。訊くと酔いに任せて、結構歌いまくったようだ。あ~っ、どうしよう。恥ずかしい!!そんなことは滅多にないのだが、ウコンの力superは善し悪しだと思った。

★つづく★

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by oishiimogumogu | 2012-09-02 08:22 |

外房へ②

 全米オープンが開幕している。朝4時から観戦。少々寝不足だ。

 海から戻ると、シャワーを浴びて買い物へ。地魚を扱う魚屋にも行った。まるまる太った鰯が本当に美味しそう。色んな魚があって、見ていて飽きない。ここでは蛤を買う。こういう時にカメラを持ち歩くのを忘れて、写真が撮れない。もう一軒の魚屋で大きなイトヨリを買う。これは、何を隠そう松茸の土瓶蒸し用だ!大きな浅蜊や海老はパエリヤ用だ。私は最後に行ったスーパーで、ウコンの力superを買った。
 
 戻ると、昼から出ていた薄い月が柔らかく輝きだした。キッチンでT氏は鯵のなめろうを作っている。パエリヤ用のスープは既に鍋からいいにおいを漂わせている。H氏はイトヨリを捌く。
 庭にテーブルセッティングをして、パーティの始まり。メニューは、地魚の刺身(イトヨリ・鯵)、鯵のなめろう、焼き蛤、焼き鳥、焼き松茸、松茸土瓶蒸し、ステーキ、シーフード・パエリヤ、シャンパン
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 そんなに食べきれるのかと思いきや、誰一人リタイヤしない。宵にさしかかり半月は、美しくその光を夜空に放っている。シャンペンは料理によく合う。T氏のスぺシャリテ鯵のなめろうは、大葉の上に鯵の刺身を広げ、その上になめろうを乗せ、大葉ごと巻いていただく。そんな食べ方もあるのだと感心したが、味も食感も最高。その上、大葉の香りがアクセントになり、それぞれのうま味を引き立てる。「ああ、ご飯が欲しい」と、思わず無粋な事を口にして、笑われた。捌いたばかりのイトヨリも身が引き締まっていて、甘味を感じる。
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 「彼は、焼きマイスターだから。」と、H氏がT氏を紹介してくれた。その称号通り、蛤を香ばしく美味しく焼いてくれる。蛤を焼くのも久しぶりだったが、活きがいいので醤油も酒もいらない。そのままの塩味で十分だ。焼きマイスターは、続いて焼き鳥(Kさんと私が串に刺した地鶏のもも肉)を炭火で焼いてくれる。これも塩だけでよい。焼き鳥の焼き加減は、流石にマイスターだ、表面はカリッとそれでいて、肉はジューシーだ。
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と、いうわけでこの夜のスペシャリテに近づいてきたが、もう眠いので一旦寝ます。

★つづく★

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by oishiimogumogu | 2012-08-30 23:31 |

外房へ①


 週末を利用して、1泊2日の短い旅をした。残暑は相変わらずで、日中は半そでで外に出ると、皮膚が焼けるようにヒリヒリする。外に出るのが苦痛で、クーラーから離れられずにいる。そんな私が2日間だけ、クーラーのない場所へトリップしてきた。実はかなり不安だったが、夜も涼しく眠ることができ問題なく快適に過ごせた。
 
 行った先は、外房・上総一宮。九十九里浜の一宮海水浴場まで徒歩で10分足らずの閑静な別荘地。パン教室のお仲間H氏のログハウスにご招待いただいたのだ。ツアータイトルは「臨海料理会」。食べるのだーい好き。お酒もだーい好きなKさんと東京駅から、わかしお3号に乗って1時間。列車を降りると日差しは強いのに、爽やかだ。駅まで迎えてくれたH氏の車に二人で乗り込み、ほんの10分足らずで現地に到着。H氏のご舎弟T氏が私たちの到着を歓待して下さった。こうして4人が揃いウェルカムシャンパンバケット&ハムそしてフレッシュトマトとモツァレラのカプレーゼ。バジルは庭先に自生している。事前にメールでいただいていたメニューのプチパーティのスタートだ。だいたい食べきれるのか不安なくらいの料理のスケジュールだった。
 
 ログハウスの庭は、良く手入れされた芝生がフカフカで、裸足でも気持ちいい。強い日差しだがタープの影に入れば、暑くない。私でも大丈夫でほっとした。芝生の為にスプリンクラーで撒く水が、さらに涼を呼ぶ。「都会の喧騒を離れて」なんて陳腐なセリフだが、日頃の生活を顧みると何かにつけてストレスの溜まる生活を送っているのが良く分かる。ここに来て大した時間も経っていないのに、すっかり夏に馴染んでしまった。東京にいたら、あり得ないことだ。
 午後、予定通りにお弁当を作って海岸へ。ベンチやパラソルなどを分担して持ち、ビーチサンダルに履き替えて歩いて行く。建物が低いせいか空が高く感じる。時折纏わりつく風が本当に気持ちいい。
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 こんな広い海岸に海水浴に来ている人はまばら。パラソルの影に入ると海から吹き渡る風が信じられないくらいの涼しさを運んで来てくれる。我々は、シェフブラザーズが作ってくれたお弁当とシャンパンで最高の気分だ。メニューは、だだ茶豆子羊のローマ風(1度料理教室で作った)、鰯のエスカベッシュ(実は揚げる前につまみ食いしたがとろけるように美味しい鰯だった)、豚肉の生姜焼き(肉の旨さが質の良さを物語っている「普通は生姜焼きには使わない」と、T氏)、そして勿論シャンパンは必須。
 新鮮な食材で作った美味しい料理、冷たく冷えたシャンパン。目の前に広がる無限の海。入道雲を携えた何処までも青い空。そして他愛のないおしゃべり。波と戯れ、そのうち心地よい風に吹かれながら昼寝。波の音はGolden Slumberの為のBGMだ。H&T氏は、毎週の事なのだろうが、Kさんと私はこの時間の貴重さを心に刻みつけていた。
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 私にとって、東京の夏は地獄だ。毎年ヨレヨレになってなんとか乗り切っているが、来年の夏はどうなるのか正直見当もつかない。この暑さは、間違っている!
 でも、この海岸で確かに私は本来の夏を取り戻した感覚があった。ずっと忘れかけていた夏の肌触り・・・そんな曖昧な記憶が心を駆け抜けて行った。
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★つづく★ 


これしかないでしょう・・・
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by oishiimogumogu | 2012-08-29 20:03 |

横浜③

シタールの追加写真
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・タンドリーチキン

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・キングフィッシャー(インドビール)

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・ベジタブルマサラ(野菜のカレー)

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・シタール


 横浜滞在3日目は、ホテル ニュー・グランドでランチ。1階の「THE CAFE」シーフードグラタンとスパゲティ・ナポリタンはここが日本での発祥の地である。
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 ホテルらしくきちんと裏濾しされたクリーミーなホワイトソースに埋まっているのは、きっと刺身でも食べられるであろう魚介類がごろごろ。チーズの風味がいい。
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 自然な味のトマトソースは絶品。マッシュルームとハムの風味も歯ごたえもフレッシュ。パスタは乾麵だが、アルデンテ柔らかめで、ソースに絶妙に絡む。正にトラデショナル・ナポリタン!
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 デザートにプリン。濃厚なのに後味はさっぱり。甘さ控えめでとてもなめらか。勿論、おいしい。

横浜散歩の風景その1
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横浜散歩の風景その2
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音楽は国境を超える。簡単に。
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by oishiimogumogu | 2012-07-27 22:43 |

横浜②


 さて、続きはカレーの話。
 カレーがキライと言う人に出会ったことがない。強いて言えば、ココナッツミルクのカレーはあまり好きではないと言った人はいたが、その人も子供のころから食べ付けているカレーは、嫌いではなかった。我が家でも、私が幼少の頃よくカレーライスを作ってもらって食べた。母親が使っていたルーは「ハウス・バーモントカレー」だったり「オリエンタルカレー」だったり。しばらくすると、他のメーカーからも色々なカレールーが出てきて、あれとこれを混ぜ合わせたら美味しいなどと母親同士で情報交換していたっけ。
 カレーは市販のカレールーで作るというのが、幼少の頃の私の常識であったのだが、祖母は小麦粉を炒めて、カレー粉を使っていた。黄色くてとろみが少なく玉葱ばかりが目立つカレーだった。舌触りの粉っぽさは、いまだに思い出せる。今食べたら当然ダメだろうけど、当時は不味いと思うこともなく、ただなんとなく不思議な気持ちで食べていた。
 そんなカレールーの常識をついに覆す日が来る。確か高校2年くらいだったと思うが、誰かが赤坂のMOTIというインド料理の店に連れて行ってくれて、小さなステンレスのカップに入った数種類のカレーを食べさせてくれた。その時初めて、市販のカレールーには、ベースとなるきちんとした料理方法があることを知った。
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 それは、栗がたわしではなく栗のイガの中にあることを知った中学1年の時や、鯵の干物があの姿のまま海で泳いでいるのではないと知った小学校5年の時と同じ衝撃だった(この衝撃は大きいが、ちょっと快感でもある)。
 カレールーの本来の姿を知った時、「ああ、だからおばあちゃんは、小麦粉を炒めていたのか」、祖母のかっぽう着姿を思い出し苦笑した。その祖母は一昨年97歳で大往生した。

 赤坂のインド料理体験から一年後、私は大学生になり家を出た。大袈裟かもしれないが、その日私は市販のカレールーで作るカレーを卒業した。以後、誰かの家で出されたものは別として、自ら母親と同じ方法でカレーを作った事はないし、外でもそういう類のカレーは食べなかった。美味しいとか不味いとか以前に、市販のカレールーそのものにとらわれるのが嫌だったのだ。
 その代わり、先輩から教えられた、ナイルレストランのムルギランチやスマトラカレー共栄堂のポークカレーなどをわざわざ食べに行くこともあった。
 そのころに友人たちと良く出かけた横浜で、オープンしたばかりのシタールによく行った。カレーと言うのは、こんなにも香り豊かで、食材の風味を活かすもだと知ったのもこの店だった。ここ何年も、時々思い出しては、懐かしんでいたが、ついに行ってみた。嗚呼懐かしい。この日のオーダーは、他では滅多に食べられない、クラブマサラ(カニのカレー)である。食べにくいので、オーダーする人は少ないと思うが、これほど旨いカレーも少ないだろう。
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スパイスは香りよく爽やかで、カニのエキスがたっぷり溶け込んでいるカレー。手をべたべたにしながら、殻つきの蟹の中身をほじり出し、マサラに混ぜ込んで、ターメリックライスと一緒にスプーンで口に運ぶ。こっくりと濃厚なルーが蟹を包み込み、ターメリックライスのパラリとドライな感じの食感と香ばしさと融合して、とろけるようだ。インドビールを昼間から呑んだ。滅多にできないが、こういう時間がと空間が私は好きだ。「これからはもう少し機会を作って、カレーを食べに横浜に来よう。」そう思った。


昨日はライブ
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by oishiimogumogu | 2012-07-26 22:42 |

横浜①

 ずっとブログを休んでしまった。時々、お叱りの声を頂きながら、引き籠りから抜けられない。昔はよく、こんなことじゃだめだと自分を責めたりもしたけど、結局治らないぐうたらな性格に打ち勝つことはかなわなかった。であるなら、もうこの際はそういう自分を受け入れて、付き合っていくしかないなと思い始めた。
 まあ別に書かなかっただけで、相も変わらず食べて呑んで旅する日常は変わらない。膨大な写真ファイルが足跡として残っている。
 そうだ、前回は千葉の勝浦に恒例の初がつを食べに行った時の事を書こうとして挫折したままだった。素晴らし過ぎる料理だった。それで、初秋にまた再訪することにした。次は松茸を食べに行くのだ。勝浦で松茸もないだろうと思われるかもしれないが、松茸は京都から来る。つまり、若旦那がどんなふうに食べさせてくれるか、それが楽しみなのだ。
 先月末には、伊豆の『かいとく丸』に行った。相変わらず、料理が旨い。ル・クルーゼのオーバル鍋で作ったアクアパッツァには唸ってしまった。魚はハタだとのこと。
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 そんな風に、カレンダーは酒飯の予定がちりばめられている。なんだか、もう9月まで忙しい。その後も、10月は恒例の新潟のどぐろツアー、11月は佐賀に行く。さてさて、稼がねば・・・

 このところ2度ほど横浜に行く機会があった。どちらも新横浜のビジネスホテルに2泊して、好きなバンドのライブを楽しんだ。ライブは夜だから、昼間は当然やることがない。朝のニュースも一通り終わった後、ラウンジでコーヒーを啜りながら、昼に何を食べるか考える。横浜と言えば中華街・・・も悪くはなかったけど、今回はカレーにした。日本大通りから歩いて、5分の『シタール』だ。

 と、いうところで、睡魔に襲われる。復帰リハビリだし、明日は朝早いし、申し訳ないけどこの辺で寝る。続きは多分2~3日中かな?でも、ちゃんと書きます。
 明日は西麻布の『さとう』明後日はUVERWorldのライブなので、しばしお待ちください。
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この頃ハマっているアーティスト
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by oishiimogumogu | 2012-07-23 22:39 |

房総の春


 いつもは誕生日の頃に出かける習わしだが、今回は4月も前半の週末に房総へ向かう。毎年1泊2日の勝浦詣では、必ず雨が伴う。二日間ともの時もあった。大抵はどちらか一日は雨なのだ。ところが今年は、初日から大いなる青空に恵まれた。初参加の夢八氏が晴れ男なのだろうか・・・
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花見客など一人もいない「桜の名所」で我々だけの為に咲いたような桜を愛でる。暑くも寒くもない爽やかな空気の中、見上げると空色をバックに満開の桜が気持ちよさそうに風に揺れていた。
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こうして、今年も房総への短い旅がはじまった。

つづく


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by oishiimogumogu | 2012-04-16 20:45 |

農家で蕎麦を食べる~長野から新潟へ④

 さぼりがちなブログを更新。人に会うと異口同音に「この頃、ブログ更新していないね。」と、言われるので申し訳なく思う。日々バタバタ過ごしてはいるが、更新する時間が全く無いわけではないし、ぽちぽち進めて行こうと思う。
 ここ数年、のどぐろを食べるのを楽しみに、せめて年に一度は新潟の出雲崎に行こうと決めて、出かけている。それが、昨年から少々大所帯となって、とうとう今年は8人乗りのレンタカーを借りて、それに大人6人と、酒を積み込んでのツアーとなってしまった。
 このツアーの昼飯は、蕎麦と決まっている。二泊三日の旅だから、昼飯は3回ある。1日目は、信州松本の「浅田」、2日目は妙高の「こそば亭」、そして3日目は・・・

 新潟県の長岡には、数年前から米でお世話になっている田中家がある。私が家で心おきなく食べる米は、混じり気のないコシヒカリ。田中衛氏が丹精込めて作る逸品だ。田中家の田圃は高地にある為、昨年も今年も夏の猛暑にさして影響されず質の良い米が採れている。
 玄米で送ってもらうその米を食べる分だけ、精米機にかけ、中川一辺陶先生にお願いして焼いてもらった、ウォーターシール効果がある加圧土鍋で炊いている。羽釜、鉄釜、普通の土鍋といくつか試したが、一辺陶作の加圧土鍋にかなうものはなかった。
 使う水は、桜島の温泉水。いい加減で、いつでも手を抜く私だが、旨い飯を炊く為には妥協は出来ない。米は炊きあがって、10分程放置。土鍋の圧力が抜けるプシュッという音がしたら、蒸らしが終わって蓋を取ってもよいという合図だ。
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 ふわりと湯気が立ちこめ、つややかな飯粒が白銀のごとく輝いている。これが確認できた瞬間、心の中では自然に稲穂のように頭を下げてしまう。
 茶碗によそった飯が旨いと云うことは、何よりの事だ。全ては、田中のオヤジのお陰である。

 ちょっと前置きが長くなったが、この田中のオヤジは、実は蕎麦も作っている。政府が提唱している減反政策の為だ。理不尽な話だが、そのお陰でプロの職人が打つのとはひと味違う本来の田舎蕎麦を我々は味わえたのだ。

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前夜2時までかかって打ってくれた蕎麦。山芋のつなぎと、ふのりのつなぎ。

 普段、あの店この店と蕎麦は割合神経を遣って食べているが、どうしてしっかりした甘みがあり、もちもちとした食感があった。正直に旨かった。
 オヤジと蕎麦や米の話をしていると尽きることがない。よく研究しているし、何より蕎麦作りや米作りを愛しているのだ。そうして出来た米や蕎麦を居ながらにして味わえることへの感謝の念を忘れぬようにせねばなるまい。

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by oishiimogumogu | 2011-11-25 20:29 |


酒・食・器そして旅のたわごと・・・


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