カテゴリ:酒・酒器( 9 )


 ある方の通夜に伺った。ビルに囲まれた古くて小さな寺で、私は今まで見慣れていた葬儀社の式典進行に則ったもとは、ひと味違う会葬をさせていただいた。唱えられたお経の意味も分からないが、不思議と優しさが満ち溢れているような空気の中で、故人となられた方の美しい遺影とたくさんの花々が印象的だった。悲しい席であるのもかかわらず心温まる思いがした。
 本当は、遠慮するつもりだった通夜振る舞いにも居座ってしまったのだが、出された酒が素晴らしすぎて(銘柄は内緒)コップで飲むのが惜しまれた。言うまでもないが、大変美味しい酒であった。帰ってから、人の世の縁の不思議さとあの酒の余韻に浸りながら、軽く一献味わった。冷蔵庫から出してきたこの酒も、実はラベルが貼ってない。

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           灰釉 ぐい呑み/寺島裕二作 備前 擂鉢(山土)/原田十六作 紅茶盆/山本英明作 

 静かな夜風に絡まれて、杯を重ねる。いい夜であったことを思い返した。 



静かな夜に・・・
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by oishiimogumogu | 2011-10-06 21:00 | 酒・酒器

染付の杯

 今朝は早起きして、ちょっと仕事。戻ってからテニス観戦。男子シングルのナイトセッションに間に合う。セルビアのティプサレビッチvsアメリカのロディックの試合は、ラリー&パワープレイ。結局3-1でティプサレビッチが勝ってしまった。こういう選手が出てくるからおもしろい。
 今日は試合終了を待って、六本木のサボア・ヴィーブルに出かけて、漆の椀の塗り直しを頼むつもりだった。しかし、テニスの試合が長引いたので、送ることにした。今やっている工藤和彦展も見ておきたかったが、行くとまたなんか買っちゃうし・・・
 それにこの暑さ。まいるなぁ・・・夕方また仕事しなきゃいけないし、今日は六本木は諦めた。このブログを書いたら、遅いランチと買い物をしに吉祥寺に出よう。久しぶりに・・・

 
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6月の末にゲットした岩永浩氏の染付のぐい飲み。素晴らしい絵付けだと思う。何しろ冷酒が美味しく飲めるのだ。



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by oishiimogumogu | 2010-09-02 14:05 | 酒・酒器

雨の雫と酒の滴

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 雨が止まぬまま夜が更けた。人間国宝 故藤原雄氏(の備前のぐい飲みだったら文句はないが、持ってないので)著書を肴に呑んでいる。
・・・どうしてこのように焼けるのか。まるで土がなりたいと思うものをそのまま形にしているようである。その肌合いも、その色合いも自然でおおらかだ。
 ああ欲しいなぁ・・・あれで、酒を飲んだらさぞ旨いだろうなぁ。
 岩手の月の輪酒造から酒を送ってもらった。純米大吟醸月の輪。新酒である。今日はこれを坪島土平作赤絵猪口で飲む。
 酒の神にただただ感謝するばかりである。


遠距離恋愛な方はこちら
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by oishiimogumogu | 2010-05-19 22:38 | 酒・酒器

オン・ザ・ロック


f0238572_0291764.jpg和食器でいうなら、指反りとか端反りとかいうのだけど、こういうグラスだと、何と言うのだろう。本来はタンブラーなのだけど、この形状がオンザロックを美味しく飲めるのでよく使う。今はなき東ドイツ製。ハンドカットクリスタル。グラスと氷が奏でる心地よい音もジャストフィットする言葉ってないな。。。

 やっと仕事終わり。久々のロングラン。疲れた~。


寝る前に1曲はこちら
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by oishiimogumogu | 2010-05-18 00:56 | 酒・酒器

スペクタル宴会


  昨夜は、目黒の行きつけの鮨屋で(と云うより正確には、鮨屋の店の前と道路の間のスペース)、ちょっと変質的?な会合が催された。集まったのは、ここの鮨屋の常連の客の一部で構成されている『くせもの会』のメンバー達、11名也。
 会の主謀者、“会長”と“副会長”の世界各地での珍味を味わってきた珍経験談には、舌を巻くばかり。加えて親方が数年前タイの奥地まで出向いて、鮨のルーツを訪ねる旅をしたとき持ち帰った数々の発酵食材(持ち帰っていいのか?)の試食などを交えながら、普段は飲めない酒(いろんな意味で)を楽しんだ。下記献立表を見て、それを楽しんだメンツと言えば、どんな人間の集まりかなんとなく察しがつくと思う。皆かなりエンゲル係数が高かろうと心配申し上げる次第。この会で自慢話のひとつかふたつでも出来たなら、食通として胸を張ってもいい。

平成22年 春のくせもの会~発酵食品と戯れる~御献立
一、前々菜    
酒盗干し焼き
一、生成     
鰹のカルパッチョ その一、鰹塩干し(塩漬けにした鰹の内臓)ソースにクリームチーズとパクチーのトッピング
鰹のカルパッチョ その二、オリーブオイルにバジル、ロックフォールのトッピング 薬味は赤山椒。つけだれは行者大蒜醤油
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一、多善もの  
その一、丹沢産ぼたんのもつ煮込み
その二、伊東坂東○○○←禁止用語のしぐれ煮
その三、沖縄、宮古島産伊良部うなぎと猪肉の煮物 

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真ん中のとぐろが伊良部鰻。少し骨が気になるが、なまり節に似てる。

薬味 浅月と島らっきょう 一味唐辛子
一、なれ     
琵琶湖産鮒と蓮(鮒ずしと成れずし)
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一、揚げもの  
その一、花ズッキーニの鮒、蓮、ロックフォール包み揚げ
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その二、鮒蓮飯とロックフォール、パルミジャーノ、祝粉のコロッケ
一、飯      
鮒、蓮のリゾット烏賊墨仕立て ロックフォール添え
一、椀      
鮒の頭の出し、一口飯入り

f0238572_1448596.jpg 酒は三蛇酒、雀蜂酒、蝮酒を始め20年ものの古酒や焼酎など、書いて御紹介できないものばかり。。。
夜も更けるのも忘れてスぺクタルグルメを堪能した。ちなみに成れ鮨と鮒鮨は琵琶湖の名人が作ったとのことで、今まで食した中で一番美味しかった。


三蛇酒(さんじゃしゅ)はハブ、まむし、コブラの三種類の蛇と様々な薬草をミックスしたスタミナ剤の最高峰。
中国では、リウマチに効果があると言われている。

今日のぺたぺた
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by oishiimogumogu | 2010-05-16 14:51 | 酒・酒器

モーニングワイン(パスタ1日目)


 何とも爽やかな朝である。6時にはもう柔らかい朝日が漂っていた。サンダル履きのままコンビニまで散歩した。
 昨夜は、ほぼ気絶するように眠ってしまった。旨い酒はつい飲み過ぎてしまう。当たり前か。
 ただ、そうなる前に明日の朝食べるものを考えておかなければならない。そうして思いついた朝食は、めんたいパスタだ。頂き物の辛子明太子が実は冷蔵庫で唸っていた。コンビニに行ったのは、必要な材料である生クリームを買うため。期限が切れたパックが冷蔵庫にあったが、チーズの匂いがした。クリームは固形物と化していたのである。
 新しい生クリームを買うために朝から散歩するのは、気持ちよかった。種類は分からないが、つつじの花が散って道路に濃いピンク色の小山が出来ている。いつ誰が通っても必ず吠える犬も何故か静かだった。
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 生クリームだた1個を買って帰り、ネルドリップで丁寧にコーヒーを淹て、短編小説を2編読む。ぐずぐずだらだらとしたこういう時間を私は結構好きなのだ。こうして、ようやく目覚めた胃袋が、騒ぎ出す声を聞いて調理を始める。
たっぷりの湯に塩(贅沢だがゲランド)を湯の1%淹れて茹でる。横でプライパンにオリーヴオイルと潰した大蒜人を入れ火をつける。いいに匂いがしてきたら、大蒜を取り出し、小女子を入れて炒め、そこに少々白ワインを振る。実は今日は久々の休業日。仕事はしないつもりなので、朝から飲んじゃえる。冷えたワインをグラスに注ぎ、飲みながら料理するのはいい気分だ。これも頂きもののドイツワイン。リースリンク種でふくよかな酸味と淡い甘みがよい。料理も飲むのも同じワイン。頂きものオンパレードの朝食は人様の情けの賜物だ。感謝感謝!

 さて、アルコール分が飛んだら、生クリームとオリーヴオイルスプレッドをたっぷり加え、茹であがったパスタを放り込む。茹で汁を少々加え麺全体にソースが絡むように乳化させ、塩胡椒で味を調える。火を止めて、薄皮を剥いた辛子明太子をひと腹分(もらいものだから、ケチることはない)と小口切り万能ねぎを好きなだけ加え混ぜ合わせる。半熟明太子と万能ねぎが麺全体に絡んだら皿に盛り、あれば大葉の細切りと半腹分の明太子をトッピングして出来上がり。本日は大葉がなく焼のりを代用した。鋏で切った海苔が重たく映ってしまったが、写真に反して、味はかなりイイ線いったと思う。野生のクレソンをたっぷり入れたコールスローサラダも旨かった。休日のスタートとしてはまずまずである。


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by oishiimogumogu | 2010-05-13 11:03 | 酒・酒器

Stardust Memory


 仕事も終わったし、打合せもはけて担当者も帰った。一応本日の予定は消化した。
 
 思い返せば本日の空模様は、めまぐるしかった。朝から曇っているなと思ったら、急に雷が一つ鳴って夕立のような雨が降り、それも昼前には上がって陽が降りそそいでいた。そうして今時分なったら薄曇って星も見えない。それが今年の5月12日だ。
 日付が変わるまで、いま少し時間がある。私は準備してあった天狗舞の吟こうぶりを開けた。今宵は杯を交わしたい相手がいるのだ。それは、8年前に逝ったねこのぴくぴくである。今日が命日なのだ。
 あの最後の日を顧みるのは今でも辛い。だが、ヤツと暮らした12年は色褪ることはない。時が経つにつれ、使い古しの毛布のような肌触りで優しく纏わりついてくる。
 さて、ヤツの好きだった鵡川の干ししゃもとまたたびは供えた。想い出に微笑みを添えて、曇り空の向こうの『ぴくぴく星』に乾杯しよう。うまい酒をありがとう。。。。おまえのおかげだ。

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by oishiimogumogu | 2010-05-12 20:33 | 酒・酒器

タイムカプセルウイスキー

タイトルはSFちっくだが、内容は唐代中国と古いウイスキーと戦国大名のこと


葡萄美酒夜光杯  欲飲琵琶馬上催
酔臥沙上君莫笑  古来征戦幾人回


こんな詩を肴に飲んでいる。この詩は唐時代の詩人、王翰が書いたもので高校の教科書にあった。『夜光杯』である。

葡萄の美酒に夜光の杯 飲もうと欲すれば馬の上で琵琶が奏でられた
酔って砂の上に倒れこんでも笑わないでほしい 古来より戦場から幾人戻ったと云うのだ


このたった28字が、脳にダイレクトに映像を映し出して見せる。あまりに美しく、切なく、ロマンティックだ。教科書は嫌いだったが、たまには良いことも書いてあるものだ。とにかく、この詩を知った瞬間から動脈を締め付けられるような錯覚を起こし、その記憶が血液に絡みついたまま今日まで生きている。
独りで呑む夜には、最良の酒肴になってくれるのだ。

夜光杯の形状は、馬上杯である。元は中国で発祥したものだろうが、その馬上杯は上杉謙信によって、私の中ではある意味神格化されている。
見たことはないが(当たり前だが)、酒の飲み方は半端なくカッコよかったはずである。謙信の馬上杯は米沢の上杉神社に展示されている。外側は草花模様、内側は金箔を施した惚れ惚れする馬上杯だ。(いつか、螺鈿で造ってもらおうと考えている)
・・・こんなので、酒呑んで砂漠の月を眺めて酔って寝てしまえるなら、朝を迎えられなくても本望だろう。そんなことを想いながら、とっておきのバカラで10年前に買ったサントリー山崎12年(つまり山崎22年)をロックでちびちびやっている。夜風も冷たくないいい夜だ。(10年取っておくと、さすがに1ランク上の酒になる。そのことを知ってから、毎年10年後の為に一本買うことにしている)


四十九年 一睡夢   一期栄華 一盃酒

49年の生涯は一睡の夢に過ぎず、ひと時の繁栄も一杯の酒に等しい

辞世の句とされている謙信の詩。どこまでもカッコよく行くのだね。戦国の酒豪謙信公に乾杯。



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by oishiimogumogu | 2010-05-10 21:40 | 酒・酒器

プロローグ


 ついに・・・ブログをはじめることになった。お題目は、日々食べたものの記録をメインに、食・酒・旅(←もちろん土地土地のうまいもの)さらには、好きなやきものの事など、思うことを綴ってみようかと思う。
 いつまで、続くか知れやしないし、読んでくれる人が現れるか知れやしない。そんな訳だから、肩肘張らずに、気楽にやってみようと思う。

 さて、金曜の午後あたりから関東地方に雪が降った。なごり雪の歌のようなロマンチックでもなんでもない迷惑なだけの雪だった。翌朝6時ころ外を見ると薄く積っている。お陰で、ここ3~4年恒例の山菜とりに行けなくなった。土曜日に山に詳しい友人と山梨の大月方面まで行く予定だったのだ。毎年山のようにてんぷらに揚げる「タラの芽」を今年は食い逃した。桜が散って後の狂い雪ではいたしかたないが、野生のタラの芽は本当に旨い。てんぷら、味噌漬けと良い酒の友だ。私だけかもしれないが、タラの芽のてんぷらは、何故か相当食っても胃にもたれない。揚げたてをおろしポン酢をさっとつけていただくのだ。忘れたころ食べごろになる味噌漬けもまた、格別である。何とも残念。土曜の午後遅くからようやく晴れ間が見えてきたが、以後それぞれのスケジュールにより、もう行けない。

 仕方がないので、酒だけ呑んだ。静岡、志太泉酒造の純米吟醸である。すっきり透明感があって、すっとのど越しが良かった。酒器は唐津にした。
 
 
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by oishiimogumogu | 2010-04-19 01:14 | 酒・酒器


酒・食・器そして旅のたわごと・・・


by oishiimogumogu

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