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どぜう


 今年はどうも思うように鰻にありつけないような感がある。数が少ないからと、人出が多くなる土日にわざわざ店を休みにする鰻屋もあると、ニュースになっている。暑さに痩せ細る思い(実際は痩せない)のこの季節、数少ない楽しみである鰻もダメとなると、心の空白は埋まらない。
 そんな矢先、馬込の御仁が浅草に泥鰌を食べに行くという話を聞いて、即刻同行させていただけるように頼んだ。泥鰌はいつも鰻の影に隠れていて、ここ数年食べていなかった。とはいえ、私は泥鰌が好きだ。母は嫌がったが、父方の伯母の家に夏行くと、水を打った広い土間の桶の中で泥鰌が蠢いている。それを裁いて柳川にして食べさせてもらった。子供心にふんわりと軽い感触の泥鰌は、ここに来ないと食べさせてはもらえない御馳走だったのだ。
 
 その後は、たまに「駒形どぜう」で、柳川を食べながら、無邪気な子供の頃を懐かしんだりしたが、今回は浅草の「飯田屋」に行くという。初めての店なので、楽しみにしていた。
 さて、その泥鰌当日、容赦ない直射日光が突き刺さるように降り注ぐ中、駅へと急ぐ。大袈裟かもしれないが、死ぬ思いである。秋葉原乗り換えで、つくばEXの浅草駅で降り、開店時間の5分前には到着。待ち合わせは口開けということだから、暖簾が掛るまで少し待つかなと思いきや、外国語のお客さん達がぞろぞろ店に入って行く。「えっ?」・・・まごまごしてる間に店は、どんどん客を呑みこんで、既に入りきれない客が、ベンチで空くのを待っている。「開店時間を間違えたかな・・・」ちょっと不安に思った時、携帯が鳴った。馬込の御仁は既に店の中で席を確保してくれていた。

 しかし・・・こんなに人気店なのか、ここは。開店前に客入れちゃうなんて、不思議な店だ。でも、まあいい。そんなどうでもいいこと考えても仕方ないのだ。まず、ビール!・・・っ、くぅぅぅ~っ。これで、ここまでたどり着く等の半分が報われる。そして、残りの半分は、楽しみにしていた泥鰌の料理だ。
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・泥鰌の唐揚げ(付け合わせは、牛蒡素麺の素揚げ)   ・なめこ汁
・泥鰌の南蛮漬け                        ・柳川
・泥鰌の蒲焼                           ・泥鰌鍋

 まずは、唐揚げ。どうも泥鰌の幼魚のようだ。臭みは全くなく、パリパリとした歯触りで、噛むと味が出てくる。牛蒡の素揚げと共にビールにぴったり。次の南蛮漬けも、この幼魚だが、甘酸っぱい南蛮たれがたまらない。そして、蒲焼。山椒を振っていただく訳だが、これは全く鰻とは別物。唐揚げの泥鰌より、大ぶり。脂がないので軽い感じだが、柔らかくとてもふくよか。あまり旨いので、後でお代わりをしたほど。箸休めに頼んだなめこ汁。赤だしが予想外で、合わせ味噌で出てくる。が、今まで味わったことがない風味。これも旨くて、驚かされる。そして、柳川。甘さを抑えてさっぱり仕立てた割下が絶妙。卵でとじられた泥鰌は正に牛蒡を背負って来たと思わせてくれる。さっぱりしていて、酒の摘みとしても十分成立する。
 合間に枝豆や茶碗蒸しなどを頼み、冷酒をいただく。ご持参いただいた、ガラスのぐい飲みの飲み口が酒を引き立てる。箸置きもちゃんと用意していただいたので、皿の端に端を置いて転がすこともなく、落ち着いて食べられる。〆は、泥鰌の丸鍋。大量の葱で覆うようにして、煮込む。骨なんか全く気にならない。皿に取ったら山椒と七味を振って、葱ごと口に入れる。とろけるような泥鰌は絶品。出汁も上品。 

 と、言う訳で何年振りかの泥鰌を堪能。浅草寺でお参り。不思議なことに、本殿に上がると嘘のように風が吹いて涼しい。しかし、歩き出すと暑いので、かき氷に手を出したりしながらフラフラ。水上バスで台場まで、乗っていく。一応、エアコンが効いているので、いろんな話に花が咲き、乗り換えの待ち時間もソフトクリームを舐める。台場からゆりかもめで新橋へ出て、前から行きたかったスペインクラブのバーで、チーズやらイベリコブタの生ハムやらつまみワインで乾杯。スペインワインなので銘柄は良く分からないが、干し草の香りがする華やかな白。ホワイトアスパラもスペイン産。豊かな風味で美味しい。鮪などちょっと珍しいスペイン産のカラスもいただく。
つまみのグレードは結構高い。最後は、パエリアを少しいただいた。40人前くらいづつ、炊きあげて行いるそうだ。日本の米だと言うが、サフランの香りとフュメドポワソン(魚介のスープ)が染み込んでとても美味しかった。
 ショップコーナーで買い物もできる。チョコレートやモズの缶詰めなどを買う。
 この店のカウンターは大理石。冷たくて気持ちがいい。クーラーも訊いていて、ずっと居たいくらいだった。まだ明るかったが、銀座の空から陽が落ち始めた頃、漸くまだまだ熱気の残る通りへと出た。
*スペインクラブでは写真を取るのをすっかり忘れていた。

いつ聞いても素敵だ
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by oishiimogumogu | 2012-07-30 17:44 | 旨い店

緑に囲まれて

 暑くて死にそう。なんとなく食欲もない・・・
 毎年、夏が終わるとまだ生きてる自分が不思議に思える。私にとって東京の夏は過酷だ。その証拠に、8月はあまり遊ぶ予定がない。遊ぶことすらやる気になれないのだ。兎に角クーラーをつけて、引き籠っている。寝る時もクーラーがないと、眠れないを通り越して気が狂いそうになる。気が付くと犬みたいにはぁはぁとあえいでいる。節電なんかできない。夏はクーラーの電気代を払うために働いていると言っても過言ではない。脳みそももう半分くらいは溶け出しているんじゃないかと思う。その証拠に、食事時に何を食べるかということすら思いつかない。
 そんな私が心に誓っていることは、来世に生まれ変わったら、絶対に金持ちになって、夏は世界の避暑地を巡る旅に出る。勿論、美酒・美食のあるところだ。夏は絶対に、仕事なんか、しないぞ!

 相変わらず暑くてたまらない東京で貧乏人は、今日も仕事にまみれている。昼になったが、窓の外は狂ったような照り返しだ。「いやだな、外に出るの・・・」そう思って、ここ数日ライブ(ZEPP Diver CitiyでのUVERworld )以外コンビニに行っただけだ。山梨から大玉のめちゃくちゃ甘くて美味しいモモが送られてきて、それを冷蔵庫で冷やしながら、食べて食いつないでいる。ま、大好物だからいいのだが、外に出て足さなければいけない用事も溜まっている。仕方なく、シャッターを開けて、自転車を引っ張り出した。「まぶしい・・・熱い・・・溶ける・・・」やっとの思いで雑用を片付けて、緑に囲まれたレストランに飛び込んだ。実は私の隠れ家。
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 ここは、ESSANCE(エサンス)
。山本有三記念館の隣の創作フレンチレストランだ。私は、ここの野菜の料理とデザートが大好きだ。パンも美味しい。エクストラバージン・オリーブオイルに一滴垂らしたバルサミコ酢。パンにちょっとつけていただく。
 表の猛暑が嘘のようにエアコンの利いた室内。窓には記念館の古い巨木の緑が目を休めてくれる。
 さて、今日の料理は?テーブルに置かれたメニューに目を通す。仕事がなければワインといきたいところだが、我慢した。メニューの中で選択する料理があり、それを決めてオーダーした。

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・陽子ファーム有機野菜のガスパッチョ           ・函館産ソイのポワレ
・函館産ソイのポワレ                       ・イベリコ豚肩ロース 

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・口直しのレモンのソルベ                   ・メレンゲボールの中はアイスクリーム。 
・シャンパンのムース、バナナのジュレ2層         ・抹茶のマシュマロ

 ガスパッチョは胡瓜のすり流しの上にフレッシュトマトジュースをかけてある。絶妙なマッチング。これ一口で悶々とした生活を忘れさせてくれる。エビは新鮮さが良く分かる。味噌まで食べた。ズッキーニパスタも食感と野菜の瑞々しさを味わえた。ソイも塩加減よくきれいに焼きあげられていて美味しい。イベリコブタは後味に風味とコクがありこれも美味しかった。
 デザートには感動した。これは絶対ここでしか味わえない。最後のコーヒーまで堪能して、その後にハーブティーと抹茶のマシュマロが出た。こんなに至れり尽くせりでいいのかと思うほどのお値段。嬉しい限り。
 不平不満も言わず帰還。                                  




来日したらライブに行きたいな
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by oishiimogumogu | 2012-07-28 20:08 | 旨い店

横浜③

シタールの追加写真
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・タンドリーチキン

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・キングフィッシャー(インドビール)

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・ベジタブルマサラ(野菜のカレー)

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・シタール


 横浜滞在3日目は、ホテル ニュー・グランドでランチ。1階の「THE CAFE」シーフードグラタンとスパゲティ・ナポリタンはここが日本での発祥の地である。
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 ホテルらしくきちんと裏濾しされたクリーミーなホワイトソースに埋まっているのは、きっと刺身でも食べられるであろう魚介類がごろごろ。チーズの風味がいい。
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 自然な味のトマトソースは絶品。マッシュルームとハムの風味も歯ごたえもフレッシュ。パスタは乾麵だが、アルデンテ柔らかめで、ソースに絶妙に絡む。正にトラデショナル・ナポリタン!
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 デザートにプリン。濃厚なのに後味はさっぱり。甘さ控えめでとてもなめらか。勿論、おいしい。

横浜散歩の風景その1
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横浜散歩の風景その2
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音楽は国境を超える。簡単に。
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by oishiimogumogu | 2012-07-27 22:43 |

横浜②


 さて、続きはカレーの話。
 カレーがキライと言う人に出会ったことがない。強いて言えば、ココナッツミルクのカレーはあまり好きではないと言った人はいたが、その人も子供のころから食べ付けているカレーは、嫌いではなかった。我が家でも、私が幼少の頃よくカレーライスを作ってもらって食べた。母親が使っていたルーは「ハウス・バーモントカレー」だったり「オリエンタルカレー」だったり。しばらくすると、他のメーカーからも色々なカレールーが出てきて、あれとこれを混ぜ合わせたら美味しいなどと母親同士で情報交換していたっけ。
 カレーは市販のカレールーで作るというのが、幼少の頃の私の常識であったのだが、祖母は小麦粉を炒めて、カレー粉を使っていた。黄色くてとろみが少なく玉葱ばかりが目立つカレーだった。舌触りの粉っぽさは、いまだに思い出せる。今食べたら当然ダメだろうけど、当時は不味いと思うこともなく、ただなんとなく不思議な気持ちで食べていた。
 そんなカレールーの常識をついに覆す日が来る。確か高校2年くらいだったと思うが、誰かが赤坂のMOTIというインド料理の店に連れて行ってくれて、小さなステンレスのカップに入った数種類のカレーを食べさせてくれた。その時初めて、市販のカレールーには、ベースとなるきちんとした料理方法があることを知った。
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 それは、栗がたわしではなく栗のイガの中にあることを知った中学1年の時や、鯵の干物があの姿のまま海で泳いでいるのではないと知った小学校5年の時と同じ衝撃だった(この衝撃は大きいが、ちょっと快感でもある)。
 カレールーの本来の姿を知った時、「ああ、だからおばあちゃんは、小麦粉を炒めていたのか」、祖母のかっぽう着姿を思い出し苦笑した。その祖母は一昨年97歳で大往生した。

 赤坂のインド料理体験から一年後、私は大学生になり家を出た。大袈裟かもしれないが、その日私は市販のカレールーで作るカレーを卒業した。以後、誰かの家で出されたものは別として、自ら母親と同じ方法でカレーを作った事はないし、外でもそういう類のカレーは食べなかった。美味しいとか不味いとか以前に、市販のカレールーそのものにとらわれるのが嫌だったのだ。
 その代わり、先輩から教えられた、ナイルレストランのムルギランチやスマトラカレー共栄堂のポークカレーなどをわざわざ食べに行くこともあった。
 そのころに友人たちと良く出かけた横浜で、オープンしたばかりのシタールによく行った。カレーと言うのは、こんなにも香り豊かで、食材の風味を活かすもだと知ったのもこの店だった。ここ何年も、時々思い出しては、懐かしんでいたが、ついに行ってみた。嗚呼懐かしい。この日のオーダーは、他では滅多に食べられない、クラブマサラ(カニのカレー)である。食べにくいので、オーダーする人は少ないと思うが、これほど旨いカレーも少ないだろう。
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スパイスは香りよく爽やかで、カニのエキスがたっぷり溶け込んでいるカレー。手をべたべたにしながら、殻つきの蟹の中身をほじり出し、マサラに混ぜ込んで、ターメリックライスと一緒にスプーンで口に運ぶ。こっくりと濃厚なルーが蟹を包み込み、ターメリックライスのパラリとドライな感じの食感と香ばしさと融合して、とろけるようだ。インドビールを昼間から呑んだ。滅多にできないが、こういう時間がと空間が私は好きだ。「これからはもう少し機会を作って、カレーを食べに横浜に来よう。」そう思った。


昨日はライブ
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by oishiimogumogu | 2012-07-26 22:42 |

横浜①

 ずっとブログを休んでしまった。時々、お叱りの声を頂きながら、引き籠りから抜けられない。昔はよく、こんなことじゃだめだと自分を責めたりもしたけど、結局治らないぐうたらな性格に打ち勝つことはかなわなかった。であるなら、もうこの際はそういう自分を受け入れて、付き合っていくしかないなと思い始めた。
 まあ別に書かなかっただけで、相も変わらず食べて呑んで旅する日常は変わらない。膨大な写真ファイルが足跡として残っている。
 そうだ、前回は千葉の勝浦に恒例の初がつを食べに行った時の事を書こうとして挫折したままだった。素晴らし過ぎる料理だった。それで、初秋にまた再訪することにした。次は松茸を食べに行くのだ。勝浦で松茸もないだろうと思われるかもしれないが、松茸は京都から来る。つまり、若旦那がどんなふうに食べさせてくれるか、それが楽しみなのだ。
 先月末には、伊豆の『かいとく丸』に行った。相変わらず、料理が旨い。ル・クルーゼのオーバル鍋で作ったアクアパッツァには唸ってしまった。魚はハタだとのこと。
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 そんな風に、カレンダーは酒飯の予定がちりばめられている。なんだか、もう9月まで忙しい。その後も、10月は恒例の新潟のどぐろツアー、11月は佐賀に行く。さてさて、稼がねば・・・

 このところ2度ほど横浜に行く機会があった。どちらも新横浜のビジネスホテルに2泊して、好きなバンドのライブを楽しんだ。ライブは夜だから、昼間は当然やることがない。朝のニュースも一通り終わった後、ラウンジでコーヒーを啜りながら、昼に何を食べるか考える。横浜と言えば中華街・・・も悪くはなかったけど、今回はカレーにした。日本大通りから歩いて、5分の『シタール』だ。

 と、いうところで、睡魔に襲われる。復帰リハビリだし、明日は朝早いし、申し訳ないけどこの辺で寝る。続きは多分2~3日中かな?でも、ちゃんと書きます。
 明日は西麻布の『さとう』明後日はUVERWorldのライブなので、しばしお待ちください。
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この頃ハマっているアーティスト
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by oishiimogumogu | 2012-07-23 22:39 |


酒・食・器そして旅のたわごと・・・


by oishiimogumogu

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