25年以上のお客


 歳がばれるかもしれないが、学生のころ州之内徹氏が主宰する『現代画廊』というのが、銀座にあってよく通った。有名無名の画家や彫刻家の絵や彫刻の個展が開かれていたのだ。州之内氏の集めてくる作品がとても好きだったし、著書もよく読んでいた。私は恥ずかしながら美術系の学部に通う学生で、自身も友人達と画廊代をシェアして、グループ展もよく開いていたのだ。
 グループ展や個展(2度ほどやった)をやる場所はいつも決まって銀座だった。ゼミの先輩の先輩の先輩のころから伝統的に使っていた画廊がいくつかあって、画廊主も変人揃いの我が校の学生の扱いを心得ていてくれてやりやすかったのだ。 
 こうして、私は銀座と親しんできた。楽しみなのは、先輩の先輩の先輩のころから通っている安くて旨い店があることだった。残念なことに、こういったゼミ伝統の店も、少しずつ消えつつあるが、今でも健在中の健在なのが、昭和通りの『ナイルレストラン』だ。あまりに有名なので、詳細は省くが、私が学生のころは、まだ先代がいかつい顔で、レジに立っていた。大学を卒業しても、就職しても、転職しても、フリーになっても、神保町の『スマトラカレー共栄堂』と共に、年に何度かは、通わずにはいられないのだ。25年以上の客ということになる。
 そういう業績?を讃えられてか、先日ナイルレストランのオーナーであるG・M・ナイル氏の私邸での誕生日パーティにお邪魔する機会に恵まれた。
25年以上のお客_f0238572_1656188.jpg

 千葉県の某所に8千坪の敷地内で開かれたパーティはでは、数100名の人々が集まり、バンド演奏や盆踊りのイベントが行われた。ナイル氏は、シンデレラに仮装しておちゃめを振りまいていた。
 誕生日を祝う打ち上げ花火も見事なものだった。
 当然のことながら、いろんな種類のカレーやナン、ターメリックライス、インドのミートボール、スパイシーなサラダ、それにタンドリーチキンが振る舞われた。カレーもさることながら、タンドリーチキンの旨かったこと。私は、こっそり分けてもらって持って帰った。実はこのチキン、銀座の店のメニューにはない。何故か?銀座の店にはタンドリーを焼く窯が無いのだそうだ。フライパンでも出来ないことはないが(実際、私も良く作る)、タンドリー窯で焼いたチキンじゃないと、お客に出せないということらしい。
 もっと、欲深くたくさんもらってくればよかった・・・と、深く反省した。

 銀座も少しづつ変わってきている。当たり前だが、学生の頃の小さな画廊は、もうほとんど残っていない・・・




熱帯夜のおともに


by oishiimogumogu | 2010-08-16 18:50 | 日々の食卓


酒・食・器そして旅のたわごと・・・


by oishiimogumogu

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